COMPASSしまんと 手放したもの、掴んだもの

月曜日のCOMPASSです。
COMPASSしまんとに昨年の初夏から仲間入りしたお友達。
迫ってきた小学校入学を思い、お友達には生活の基本を身につけてほしい、そして何より保護者様は学校生活を楽しく送れるようになって欲しいと保護者様は願い、COMPASSに「じっと座って相手の話を聞けるようになって欲しい。」とご希望を語られていました。

個別支援計画の目標には「ひらがなの読み書き」「見通しを持って活動に参加できるようになること」「数の理解」がしっかりと記載されました。
まずはCOMPASSの日常でのルールを学び、ご挨拶、入室、トイレ、検温等をしっかりこなせるようになることからスタートです。
学習面では「ひらがなカード」「絵本」の読み聞かせを学習課題として行っていきます。

お友達、COMPASSで行われる全てにほぼ抵抗を見せました。
落ち着きがなく、着座姿勢のキープが難しく、集中に欠けていました。
また予定外の出来事や新しい取り組みは大の苦手。
決まった先生や順番、どの送迎車に乗るかなどにもこだわり、自分の想像と違ったり、同じスケジュールでないと酷く抵抗を見せていました。

この状態でこだわりを手放さないでいると、そのまま小学校でも困りごとになってしまいます。
お友達にとっては落ち着かないのかもしれませんが、変化に少しずつ慣れるために、療育の順番や担当の先生が固定されないよう、わざと都度都度変えるように配慮したといいます。

根気よく、何度でも、繰り返し行われるCOMPASSの療育は、学習だけに限ったことではありません。
他の人には全く気にならないことも、デリケートな感性を持つこのお友達にとっては、とても大きなストレスを感じることなのだと十分理解をしています。
ストレスなく、楽しくて優しい環境だけにしてしまうこと、それは、むしろ簡単に対応できるものです。

しかしCOMPASSの外では日々新しいことや、イレギュラーな出来事や、突発的なアクシデントまで、ありとあらゆる「いつもと違うこと」が起き続けています。
そこに放り出されることを思うと、あえて少しずつ弱い負荷を与え、お友達の嫌う新しい環境を工夫して提供するCOMPASSです。
根気よく、何度でも、繰り返し続くCOMPASSの毎日。
お友達がこだわりを自分から捨てられるようにと願いながら、日々の取り組みは続きました。

覚えた手順を必ずやらないと気が済まなかったお友達がこだわった入室、手洗い、トイレという「順番」。
勿論、手洗いなどを行ってからの療育ですが、その順番は崩れても戸惑いを見せたりしなくなりました。

30分以上着座できるようになってからは、吸収のスピードが加速し、「ひらがなの50音の読み書き」ができるようになり、カタカナに取り組み始めています。
COMPASSのプリントも自分で文章を読んで取り組めるような成長を見せ、算数プリントに進んでいます。
絵本の読み聞かせも、絵本の音読になり、先生からの簡単な質問にも答えられるようになってきました。


指示があっても「僕はこうやりたいんだ」というこだわりの要求はまだ聞かれます。
ただ、「今は何の時間かな?」と声を掛けると、耳を傾ける様子は増えてきました。
COMPASSに来ていても、これまでは自分⇆先生という世界だけで終わっていたお友達ですが、最近は周りのお友達に興味がでてきて、自分から声を掛ける姿も見られ、笑顔を見せ、楽しく過ごしているようです。
お友達の成長は保護者様も喜ばれ、プリントを見て「字がすごくキレイに書けていますね。コンパスでの成果が出ていると思います。」と嬉しいお言葉を頂きました。

もう少し世界を広げていろいろな刺激を受けて成長へつなげて欲しい。
そう願い、新しい支援計画には文章を読んで問題が解ける。見通しを持って活動に参加することや、数に興味を持ってくれるようにと目標が設定されました。
相手の話を聞き、自分の思いを伝えられるように促しを続け、機会を提供し、一つの行動から次へスムーズに移行でき、ルールの中で楽しく豊かに日々を送れるように支援を続けていきます。

COMPASS発達支援センターしまんと
所在地:〒787-0013
    高知県四万十市右山天神町4-31
連絡先:0880-34-8328

(事業所名をクリックして頂くと事業所案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)

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