COMPASS松茂 「分からない」と言える勇気を

金曜日のCOMPASSです。
お友達が初めてCOMPASSに来たのは昨年の秋が終わろうとする頃でした。
数ヶ月後に就学するお友達を保護者様は気遣っておられました。

お友達は同学年の友達づくりが得意ではなく、恥ずかしいのか挨拶や自分の意見や気持ちを言い出せず、誰かに代わりに言ってもらおうと依存するのだとか。
人と楽しく関われるようになり、何事にも自信を持って取り組めるようになって欲しいと保護者様は願っておられました。

COMPASSの個別支援計画は、言葉の意味を理解し、場面に合った表現の仕方やコミュニケーションの取り方をマスターできるようになること、また「できる」ことを増やして、自信につながるように導くこと、また就学を睨み、社会生活に必要な常識やマナーを身に付けることを目指します。

こうして通い始めたお友達。
初めての場所には慣れるのに時間がかかるようで、落ち着かない様子でした。
お友達の様子は、年上と関わるのは大丈夫のようでしたが、同年代、年下、女の子は苦手なようです。
頼れると思った相手が見つかると、そこお友達に甘えて依存する傾向も見られました。

COMPASSの基本学習課題を着座姿勢で行うのですが、分からないことがあれば黙り込んでしまいます。
必要なときに助けを求める発言はとても大事です。
そこで「分かりません。」と言えるように、お友達にその都度声掛けに努めます。
また何か質問したときに、質問と関係のない話をする場面も多かったそうです。
まずはよく相手の話を聞く姿勢を学んでもらおうと、繰り返し話しかけ、意識するように促していきました。

ご挨拶をしたり、人前で意見を言ったり、困ったときの「わかりません。」は言えないのですが、静かに集中すべきプリント中のおしゃべりは止まりません。
お友達同士の並んでの学習課題は、コミュニケーションを楽しみながら取り組むのはむしろ好ましいことですが、実際にはおしゃべりが盛り上がりすぎて本末転倒になってしまうことが多かったと言います。
そこで学習課題を行う前にはその都度「静かタイム」を取り入れ、静かに集中できるように工夫してみます。
しかし、静かタイムの後でもやはりおしゃべりが続いてしまうこともありました。

秋から冬が過ぎ、利用開始から半年が経ち就学を迎える頃、明らかな成長の兆しが見られるようになりました。
学習の場面、余暇の自由な場面でのお友達同士の関わりを通して、苦手だった自己紹介も自信を持って言えるようになりました。

繰り返し練習を継続してきたことで「分かりません。」と先生に言えるようになり、質問へも横道に逸れることなく回答できるようになっています。
今では、恥ずかしがりな様子は見られず、堂々と自分の意見を言えるお友達です。

3月には卒園を経験し、4月には小学校へという立て続けの環境の変化で心細くて辛くてしばらく泣きながら日々を過ごしたお友達。
最近ではすっかり落ち着きを取り戻してきたところですが、小学校生活に慣れ、お友達を作り、学習や遊びへの「もっと知りたい、できるよ!」と興味関心の広がりを願いながら取り組みは続きます。
より集中力を高め、一通りマスターしたものの更に読み書きや考えて答えを導くことに自信を持って取り組めるよう成長への支援を続けます。

COMPASS発達支援センター松茂
所在地:〒771-0219
    徳島県板野郡笹木野字八北開拓170-1-2F
連絡先:088-699-0138

(施設名をクリックして頂くと、施設案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)

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