COMPASS武蔵新城 涙から始まり、そして卒業へ

木曜日のCOMPASSです。
COMPASS武蔵新城のお友達が通い始めたのは2年前。
保護者様によれば、発語はあるものの語彙がなく、会話にまで辿り着けていないことを改善したい、また人との関わりで譲り合いができないので、おもちゃ等の貸し借りができるようになって欲しいと希望しておられました。

個別支援計画は、発声練習から始まって自分の気持ちを表現できるよう語彙を増やし、会話の成立に繋がるよう導き、また、お友達同士の関わりから我慢することや、気持ちよく貸し借りができるように、仲良く遊べるように促していくことがメインの目標とされました。

利用が始まった頃のお友達はまだ年少々さん。
COMPASSという初めての場所はお友達を不安定にさせてしまうようで、玄関先で付き添いの保護者様から離れられず、ただ泣くばかり。
なんとか入室に漕ぎ着けて、着座を促してもすぐに立ち上がり、気持ちが落ち着かず周りが気になり歩き回ってしまいます。

最初は短い時間から言葉へのアプローチが始まりますが、発語は「パパ」「ママ」「にいに」が確認できたくらいで、語彙力が乏しく表現方法も持たず、話すとなれば発声も極端に大きな声で、かつ不明瞭なところもありました。

感情のコントロールが難しく、余暇の時間でもおもちゃの貸し借りもできませんでした。
日常生活では自立ができておらず、生活動作全てにお手伝いが必要な状態だったようです。
ここからCOMPASSの取り組みが始まります。

まずは着座から。
気に入らない課題には強い拒否が見られるものの、絵カードは大好きなようでした。
そこで、お友達が好む絵カードを活用して少しずつ着座で集中できる時間を伸ばせるように導きました。
声の大きさの調整には「声のものさし」で視覚的に理解を深め、気づきを促しました。
語彙を増やす取り組みと並行して、単語の発声から単文の発声へブラッシュアップしていくと、次第に少しずつコミュニケーションが増えていきました。

やがてお友達が通い始めてから1年半が経った春から夏へ移る頃。
おしゃべりが上手になったお友達、自分の思いを発信することが嬉しくて仕方ないと言った様子です。
楽し過ぎて、相手の話を聞くよりも自分のおしゃべりを先行してしまう傾向が見え始めたのだとか。

この頃、ノートで一筆書きのなぞりの運筆が始まると、驚くほど興味を見せ、着座姿勢で取り組む時間がかなり増え、滅多に離席をしなくなっていきました。
文字への興味から絵本に興味を持ち始め、COMPASSの貸し出し図書を活用して、たくさん本を借りるようになったお友達です。

季節は真夏へ。
ここからは、気持ちや感情を表す言葉の習得へとステージを上げて取り組み始めました。
自分が話したいばかりが優先されることを、今度は相手の話も最後まで聞く意識を持てるように促しも続けていきました。
そして秋へと移り変わろうとする8月の終わりに、通所受給者証を返納することとなり、お友達はCOMPASSを卒業していきました。

泣きながら部屋にも入れず、話せなかったお友達の笑顔の旅立ちです。
COMPASSのお友達や先生にとっては寂しい秋のスタートになりましたが、また素晴らしい感動を連れてくる新しいお友達との出会いも待っています。
卒業するお友達へ幸多かれと願い、エールを送ります。

COMPASS発達支援センター武蔵新城
所在地:〒211-0044
    川崎市中原区新城3丁目17-9三島ビル2F
連絡先:044-948-8481

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)

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