COMPASS中讃センター 会話を通して、次の春には…

火曜日のCOMPASSです。
中讃センターに通うお友達は2度目の夏を見送ったところです。
保護者様の願いは「語彙力、表現力をつけて自分が思っていることを言葉で伝えられるようになってほしい。」というものでした。
また、気持ちの切り替えができるようになり、集中して物事に取り組む時間がもてるようになってほしいとも話しておられたそうです。

個別支援計画では「発声練習に取り組み、話せる言葉を増やし、言葉でコミュニケーションが取れるようになることや基本的な生活習慣の確立、お友達同士の関わりの中でルールやマナーを身につけ落ち着いて過ごせるようになること。」を目指すものになりました。
一昨年の利用し始めた当初のお友達は、とにかく元気!!
落ち着きなく動き回り、机の上に登ったりと危ない行動もあるなど、制止がきかないこともありました。
なかなか着座できず、教具の入ったかごの中が気になり離席しがちだったそうです。

「あれは嫌、これは嫌」と拒否が多く先生を困らせますが、実はやろうと思えばできる能力は高いと判断していた先生たちは「〇〇ができたら、その次に△△しよう!」と伝える工夫をしてみると、素直に納得して取り組むことができたそうです。
加えて1つの課題を完了させるたび、上手にできるたび心から褒めていくと、次第に取り組もうとする姿勢に繋がっていった様です。

言葉は出ていたものの、語彙が少なく発音も不明瞭で、思いの全てを伝えることはできないようでした。
療育では、毎回口と舌の体操、発音・発声練習を取り入れ、療育中の会話の中でも不明瞭なものは口の形の矯正や発音の確認をその都度行い続けました。
ちょっと練習するだけで明らかに変わる体験もあり、お友達も嫌がることなく真似したり復唱したりするようになっていきます。
また、経過と共に単語一文字ずつだと上手に発音できるものが増える一方、単語を続けて発音すると不明瞭になる傾向が見えてきました。
そこで、改めて二文字をつなげて発音する練習に切り替えて取り組んでいます。
日常的に常に意識した発声ができるよう、送迎時、車内での会話のやり取りも貴重な時間と捉えて大切にしていきました。

指先の指導をする際にはたくさんの課題が提示されましたが、中でもお友達は「紐通し」が苦手でした。
なかなか上手くいかないときは、机に突っ伏してしまいます。
そんなとき、先生が紐を電車に見立てて「ガタゴトー♫」と言いながらビーズに通す様子を見せてみると、顔を上げて興味を示します。
次の瞬間、にっこりと笑顔になり、また再度活動に取り組むことができるようになりました。
「棒通し」も苦手な様子で顔を背けることがあり、先生がわざと棒と違う色を通すと、お友達から「あ〜!違うよ!」と指摘。
嫌だったはずなのに、成果にこだわる傾向が幸いして、先生のこのおとぼけのやり取りで、お友達が先導する形で最後まで取り組むことができたのだとか。
いずれの課題も少しでも取り組めれば頑張りを認めて褒めたり、「できたね!」「やったね!」など声をかけることでお友達の自信に繋がる促しを続けていきました。

利用開始から約半年後、お友達は就園し、この頃からお友達の様子に成長の兆しが見え始めたといいます。
今では走り回ることなく落ち着いて過ごせるようになり、始めと終わりにはご挨拶もできるようになり、むしろお友達の方から「(お勉強)行こう!」と言うようになっているのだそうです。
できないことや困ったことがあってもすぐに投げ出すことなく、「先生ー、〇〇してー!」と言葉で助けを求め、どうにか最後までやるんだという意欲が見られます。

言葉の学びも継続しています。
一緒に遊びたくても、思いを伝えるのに不十分な表現では伝わらず、強引に気持ちを押しつけてしまうことがあり、相手の気持ちに配慮できずに小さなトラブルになることもありました。
そんな不明瞭さと語彙の少なさから、言っても伝わらないという辛い状況が改善してきています。
保護者様も言葉の成長と落ち着いて学ぶ姿と、成長に伴って癇癪も減ってきたことをとても喜ばれているのだそうです。

現在年中さんのお友達も来春には年長さんになり、すぐに就学が視野に入ってきます。
目下の課題は、学習でもゲームでも、相手が先生でもお友達でも常に勝負にこだわりを見せるところなのだとか。
勝つことへのこだわりが強く、勝負事で負けそうになると悔しくて泣くこともあります。
先生は「負けたくない気持ちは大事だけど、みんな一緒。勝っても負けてもいいんだよ。」と繰り返し伝え、相手の立場に立つことや、もっと視野を広げ、大きな目標を目指すことができるように伝え続けています。

これからは自分発信では言葉から会話へと学びをスパイラルで向上させ、引き続き発音練習と助詞の使い方を強化し、会話の中で気持ちを表現していく力を目指し、それ以上にしっかり相手の話を聞く姿勢も育てていきたいと思います。
「ただ負けたくない」というこだわりが解け、皆一緒に成長していくこと、誰かが立ち止まっていたら待ってあげられるような優しい協調性の獲得を目指し、個別指導と同時に少人数での活動も増やしながら、皆と仲良く、楽しい毎日が送れるように総合的に成長できるまで、しっかりと関わりを継続していきます。

中讃地区 COMPASS児童発達支援センター
所在地:〒763-0082
    香川県丸亀市土器町東4丁目780
連絡先:0877-24-5328

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)

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