COMPASS丸亀Link 泣き顔の青丸から笑顔の花丸へ

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS丸亀Linkのお友達は通い始めて2年半になりました。
保護者様はお友達と楽しくコミュニケーションを取り、集団の中でのルールやマナーを学んでほしいと願い、また学習に積極的に取り組めるようになり、新しいことや苦手なことにも取り組んでいってほしいと希望を託されました。

支援計画にも保護者様の願いに沿って作成され、まず「集団の中でいろいろなことに興味を持ち、ルール、マナーを学びながら他者とコミュニケーションがとれるようになること」「積極的に学習に取り組み、達成感や向上心を育てること」を目標に掲げました。
さらに生活習慣をしっかり身につけ、新しいことや苦手なことにも少しずつ取り組めるように導きます。

当初は多くのお友達と同じように着座姿勢で集中できる時間は長くはありませんでした。
苦手な課題には気もそぞろで、ハサミを使うような工作も好まず、先生の支援が必要でした。
誤りや点数による評価をひどく気にする傾向があり、1つ間違うと泣き出したり「青まる、青まる!」と大騒ぎしたり、もっと耐えられなくなると、机の下に身を隠したり、トイレに逃げて行ってしまいます。
この頃のお友達は、いつも一人きりでした。
集団で過ごすのも苦手で、余暇の時間も色鉛筆を触ったり、絵本を見たりして過ごす毎日が続きます。

コミュニケーションの喜びは相手と自分の間にある目に見えない空間が作り上げます。
そのために必要なことは、相手を思いやり、伝える心です。
相手と自分の間に生まれる空気感。
お友達の場合、相手が目の前にいても声が大きく、話す内容よりその大きさだけが印象に残ってしまいます。
そんなお友達の役に立ったのが「声のものさし」でした。
音読時でも大きくなりがちな声を確認する際に、今ここだよと視覚的な意識づけで調整できるように試みました。

気持ちよく会話を行うためには語彙力、表現力の向上も必要。
そのためCOMPASSでは積極的に「日記」に取り組みます。
次第に言葉で表現し、気持ちを伝え、そして読み手に伝わる嬉しさを知っていくお友達。
小学1年生の頃は先生が手を添えて一緒に切っていたハサミも、今ではあきらめず取り組みを続けました。
ハサミづかいは少しずつ上達し、ギザギザになりながらもまっすぐに、さらに弧を描いて丸く切ることもできるようになりました。

こうして1年が過ぎ、2度目の春がやってきました。
以前は気が逸れて離席しがちだったのですが、しっかり学習が終わるまで着座姿勢を保つことができています。
日記が上手に書けるようになり、嬉しそうに先生たちに見せに行き、大きな花丸をもらって褒められて喜ぶお友達です。
以前は聞いたことに答えられず、選択肢の中から選ぶことで意思の確認をするのみでしたが、考えた回答を思い出して言えるようになり、語りたい物語を少しずつ文章や絵にすることができるようになっています。
学習も学校の指導スピードに沿って漢字、計算などにも粘り強く取り組めるようになり、励まし、繰り返すことで習得が早くなってきました。
苦手な課題でも涙ではなく、笑顔を見せ、楽しそうに過ごすことができているお友達です。
まだ積極的にお友達同士で交流を楽しむまでには至っていませんが、排他的な考え方が少しずつ変わってきているようです。

最後まで残った課題は集団活動でした。
避難訓練やお楽しみ会などの集団での活動では、お友達だけその場から立ち去るなど遠巻きに見ていることが多かったそうです。
他のお友達の発する声や音に耳を塞いだりする様子も目にしていたのですが、最近では活動に関心を寄せたり、先生が仲介役になり同じ遊びに参加することもできています。
おやつ係のときも問題なく責任が果たせており、皆の前で発表もできるようになったそうです。

初めて通った春の日から数えて2年と半年。
補うのではなく、矯正でもなく、お友達の中から引き出す療育はしっかりとお友達の中で成長しています。
お友達自身が「やってみたい」と思う意欲を大切にして、色々なことに挑戦し経験を積み重ねる中で、気づき、得るものを大切にしていきます。
課題としては引き続き集団の中でのルールやマナーを学び、周囲との距離感を意識しながらその距離を縮められるよう、自分の言葉でスムーズにコミュニケーションができる姿をやがて見ることができるまで継続していきます。

COMPASS発達支援センター丸亀Link
所在地:〒763-0072
    香川県丸亀市山北町465-1
連絡先:0877-43-7328

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)

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