COMPASS中津 あと1枚、硬い殻を破れれば・・・

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS中津に昨年から通い始めたお友達をご紹介します。
保護者様は、発語がなく、言われたことの理解が少し難しいお友達に「指示で行動できるようになってほしい。」と願っておられました。

身辺自立、とりわけトイレで排泄できるようになってほしいという希望も話しておられたそうです。
そこで「発語」、「身辺自立の確立」、「生活リズムを整える。」という3つの目標を個別支援計画に掲げ、お友達のCOMPASSはスタートしました。

利用当初、お友達は小学校2年生の冬を迎えていましたが、発語がなく、意思表示はクレーンや手を叩いて知らせるだけだったそうです。
着座はというと、着座時間が短く、離席が目立ちました。

まず取りかかった課題は排泄のルーティン化です。
トイレで、というルールをお友達の日常に取り入れるため、排泄の感覚はなくても決まった時間に嫌がらずに便座に座ることを徹底して促すことにしました。
そして、終わったときは必ず自分でオムツを腰まで上げることも日課としました。

学習姿勢は着座から。
そこで「机に着いて学習する」ということを理解してもらえるように、繰り返し声かけをしたり、机上で完結する作業的な療育を増やしたことで着座時間が伸びていったそうです。
当初はすぐ離席していたところから、30分〜40分ほどは席を立たずにいられるようになっていきました。

大きな目標の「発語」。
発語がない理由としては、「言葉を聞き分ける聴力が発達していないこと」「言われたことが理解できる知能が未発達なため」「声を出すための器官の発達が不十分」「本人に話したいという意思がない」と言われています。

言葉の発達を促すためにはまず「話したい」「伝えたい」とお友達自信が感じることが大切です。
療育現場では言語指導の学時間だけでなく、周りのお友達や先生との関わりが「楽しい!」と感じられる時間を過ごすことで脳が活性化して言葉を吸収する力が育つとされています。
言葉の意味を理解していなくても「楽しい」やりとりの繰り返しの中で意図がわかるようになり、言葉の理解に繋がると考えられます。

お友達がCOMPASSに通い始めてから10ヶ月ほど経過した今年9月には、お友達は着座して課題に取り組みができるようになってきました。
そこで、9月からは指示理解や発語に重点をおき名前カードを使って取り組むようになりました。
先生がお友達の名前を「◯」「◯」「◯」「◯」「◯」「◯」とひらがなで書かれた「名前カード」を繰り返し見せながら声に出します。

先生の言い方を真似してもらえるようにカードを1枚ずつ見せ、カードの文字と発語が一致できるよう日々工夫しながら取り組んでいます。
これと並行してカードの文字がマッチングできるよう日々試行錯誤しながら取り組みを続けています。

「名前カード」は9月から始めてまだ1ヶ月ほどですが、先生の真似をしてカードを机の上に並べておけるようになりました。
「名前カード」を取り入れたばかりの頃は(いらない!)と言わんばかりに先生の腕を押したり、カードを突き返したりしていたお友達。
こちらのやりたいことを汲み取り状況を飲み込めたのか、カードを並べてくれるようになってきています。

時間がかかるというより、時間をかけて技能も、習慣も、気持ちも時間をかけて大切に育てるという意識。
その意識で排泄、発語の達成を目指し、スモールステップで取り組んでいます。
次第にお友達はこちらの声かけや行動をよく見るようになり、真似することやスムーズに受け入れることが増えてきたそうです。

声は出せるお友達。
嫌なことがあると不快を表す表現で手が出ることもあるのですが、その時に「んんん」と声が出たり、くすぐり遊びで明るい笑い声を出すようになってきたこともCOMPASSでの過ごし方を受け入れるようになった変化の現れだと考えられます。

そう、あと1枚、硬い殻を破れれば・・・
言葉の発達や基本的生活習慣の確立を目指すために、これからは更にご家族はもちろん、お友達を取り巻く支援者の方々、学校でと、様々な場面でお友達同士の集団活動の機会を作り、幾つもの体験を積み重ね、関わり方を学んで欲しいと願い「その日」の来ることを願いながらCOMPASSでは、より深い関わりを続けて行きます。

COMPASS発達支援センター中津
所在地:〒879-0123
    大分県中津市大字田尻1164-1
連絡先:0979-64-7108

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