COMPASS松山GREEN ポジショニングを通して

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS松山GREENに秋から通い始めたお友達。
ほとんど発語がなく、気持ちの切り替えが出来ません。
気に入らないことには、ただ泣き、泣き出すことでその場から逃げようとします。
トイレに行く意思を「チッチ」と口にはできてトイレに行きはしますが、「おズボン脱ぎましょうね。」と声をかけると、その言葉かけが嫌なのか、途端にお漏らしをしてしまいます。

発語がないために反抗したり癇癪を見せるお友達を心配され、保護者様は「少しでも発語が出るようになって意思疎通ができるようになり、家での癇癪が減ってほしい。」と願われ、COMPASSには「少し成長が遅くても、いつもの笑顔で過して欲しいと思う。」とのご意向を語られていました。

個別支援計画では「1音でも多く発声できるようにはっきりと口を動かし、発声出来るようになること。」「手指の力、握力が弱いので、日常生活で必要な巧緻性を高めること。」を目標に設定しました。
全ての取り組みに先生が介入してやり方を示し、玩具の貸し借りや順番などを知り、ルール等を学ぶことを目指します。

9月から始まった療育。
遊びに行きたがるお友達に着座を促し課題を示すと、お友達は思い通りにできない怒りが爆発します。
途端に癇癪を起こしたり、大声で泣き出してしまったりして、要求を通そうとします。
わんわん泣き出して遊びに行こうとするお友達を先生はやんわり制し、優しく、そして厳しく「今はこれをやる時間です。」と、同じ指示を繰り返し「泣いても思い通りにはならない。」ことを教えようとします。

ご家庭でも嫌いなものは食べない、お風呂や食事の時間に家庭で決まった行動を拒否する子どもは少なくはないと思います。
そこで泣き出したり癇癪を起こすと、親の方が根負けして受け入れてしまうこともあると思います。
それを許し続けてしまうと、子どもは泣けば通るということを学習してしまい、どんな要求でも泣いたり癇癪を起こすと許されると勘違いしてしまい、社会性の欠如に繋がってしまいます。
家族全員がまだ揃っていないのに我先に食事を取り始めたり、皆が終わっていないのに自分だけ先に食べ終わって当たり前のように離席する様子も見かけますが、COMPASSでは、ポジショニングという考え方でそんな状況を矯正していきます。

保護者様は女性でも男性でもなく親という立場で子どもと接しますが、制止できない子どもは、子どもというより暴君です。
命の危険が迫っているときでもこの誤ったポジションで考えてしまうため、制止が効かず、自分の意志を優先し、自ら危険に近寄っていく可能性もあります。
この何でも通ると言う思考が定着すると、大切な学ぶ機会を奪うことになり、その行動が誰かの迷惑になることや過った考えだと気づかないまま、感謝の心も育たないままで園や学校に通う様になり、やがて周りとのトラブルを引き起こすことになります。

ご家庭ではポジションの高いお父さんやお母さんの言うことを聞くこと、学校では先生の言うことを聞くこと、たとえ反抗したくても、意見が違っていてもです。
ポジションが上位の人の指示に従うことは、何も従順な人間にしたいのではなく、俯瞰してものごとを見られる様に成長したとき、初めて自分で考えて正しい行動を取れる様になり、全体の中の個人、社会人として思考することができる様になるための大切なステップだからです。

ポジショニングの学習には教える側のブレない毅然とした態度、わかる言葉を使って子どもが理解し、腑に落ちて、納得するまで繰り返し伝えること、そして根気こそが必要で、大きな声で叱り飛ばすことなどは「指示に従うこと=嫌な経験」となり、かえってマイナスに働きます。
そうはいっても24時間一緒に過ごすご家庭で、感情を抑えて冷静に指導することは保護者様にとってかなりハードルが高いものでしょう。

さて、COMPASSではお友達に繰り返し学ぶときには着座すること、目の前の課題を頑張ること、学習の時間と遊ぶ時間の区別をつけること、遊びにはルールがあること、ルールを守ってこそ楽しいものになること、自分とお友達はどちらも対等で同じように大切なことなど・・・
やりたくない課題をやる様に言うときはちょっと嫌いだけど、1つできるたびに本当に嬉しそうに褒めてくれる先生をお友達は大好きになっていきます。
お友達はひと月経つ頃には理解が進み、気持ちの切り替えが出来るようになり、集団活動にも笑顔で参加できる様になってきました。

まだ綺麗な発語がスラスラ出てくるわけではありませんが、嫌なことも、やりたいことも泣いて訴えるのではなく、クレーンを交えてですがなんとか言葉で伝えようとするようになってきたお友達。

保護者様もCOMPASSの支援を温かく見守ってくださり「本人のペースで大丈夫です。よろしくお願いします。」とご理解ある言葉を頂いており、成長を喜ばれているそうです。

言葉を話して会話になるために、お友達にはまだまだ登るべきステップがあります。
その道には距離がわかるメモリがついているわけでも、ナビゲーションがあるわけでもありません。
お友達としっかり向き合い、少しの表情も見逃さない姿勢で積み上げていくだけです。
そして諦めない繰り返す学びは今日も続いています。

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