COMPASS Clover 最初の声、そして未来へ続く声

火曜日のCOMPASSです。
昨年夏から通い始めたお友達は5歳、元気な年少々さんです。
指先を使う作業はとても上手で、得意なのですが、自分の理想通りにできないと納得せずいつまでも終われません。
お友達のこだわりは片付けの場面でも発揮され、気に入らないとやり直し。
お友達からの発語がなく、気持ちが伝わらず、思い通りにいかないと泣き出します。

保護者様は「話せるようになってほしい。」と切に願っておられました。
保護者様の願いを受けて立案された個別支援計画では色々な目標の中で、まずは「友達や先生と関わる中で、たくさんの言葉に触れて発語に繋げる」ことを目指します。

なかなか出ないお友達の心の声は、どうすれば発声に繋がるのだろうか?手探りの毎日が始まります。
視覚的な絵カードはしっかり先生を見て真似ることはできるのですが、運動遊びは言葉の指示だったためか、うまく気持ちを乗せられません。

当初のお友達は、語彙をあまり持たないようでした。
例えば「立ちましょう!」と指示を出しても違う動作か戸惑って立ち尽くすかといった感じです。
そこで、運動あそびでは「動作」と「言葉」の一致ができるように声をかけ、手本をやってみせると真似て動作ができます。
また、言葉だけの指示よりも視覚情報はお友達に受け入れやすいとわかったため、時々文字を書いた紙を見せながら動作を促すように努めました。

声を出すことに慣れていないお友達の固い表情筋・口の周りの口輪筋を柔らかく動かせるようにほぐすため、毎回舌や口の体操に挑戦しました。
さらに口元を見せながら、50音の口の形を真似するように促します。
発語の訓練のメニューには、50音の発声、舌と口の体操、絵本の読み聞かせ、絵カードを活用しました。
しかし発声練習では集中が1分も持たないため、横にトランポリンを置いて発散させて着座を繰り返したと言います。

お友達はこれまで活発な運動の習慣がなかったようで、運動遊びに誘ってもすぐに座り込んだり寝転がったり。
嫌がって走って逃げてしまうこともあり、戻るように注意しても、こちらの意図がわかっているのか、表情が読み取れずにただ笑っているお友達でした。

カードは積極的に参加できますが、運動では一つの運動から次に移る際にも、先生がかける言葉だけの指示では興味を示さないようでした。
そこで視覚的に分かりやすく、お手本の動作をやってみせると、次の動作への導入がスムーズにいくこともわかってきました。

5歳まで発語がなかったお友達ですが、その日は唐突にやってきました。
昨年の11月、COMPASSで自分の名前の文字を指差して一文字ずつ発声し、不明瞭ではあるものの50音の発声ができたのだそうです。
関わっていたCloverの先生たちは皆、お友達の初めての言葉を聞いて、涙ぐむほど嬉しかったのだそうです。
どの先生も代わる代わる褒めると、お友達も手をたたいて喜び「褒められてとても嬉しい!」という想いを共感できた素晴らしい交流の瞬間です。
この瞬間を共有したくて、保護者様にもその時の動画をご覧いただくと、涙ぐんで喜ばれていたのだそうです。

発声に関しては、まだ日によっては声が出たり、出せなかったりする日もあるのだそうです。
この日を境に不安定ながら発声はできるようになりましたが、言葉でのコミュニケーションへの道のりはまだまだ遠いようです。

今、お友達の道はスタートしたばかり。
あ・い・う・え・お…、この発声が、いつか「先生!」「〇〇くん!」と呼び合えるように、そしてたくさん楽しいお話を聞かせてくれるようにと願いながら、今日もお友達を笑顔で迎え入れます。
まだまだ集中も短いものですが、これから集中できる時間をどんどん伸ばしていきたいと思っています。

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