COMPASS.Jr そして、願いは叶うということ

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS Jrに通い始めてもうすぐ3年目に入るお友達。
お友達は自分目線で何もかも判断してしまい、相手がどう感じているのかを考えることはありませんでした。
自分が知っていることは誰でも知っていると考えてしまうところがあり、説明不足でチグハグな会話になったり、お友達の考える正義やルールを他人もそうすべきだと思い込んでしまったりする傾向も見られました。
そんな自分の想像する相手の心情が全く違っていると、拗ねてしまうのだそうです。

保護者様は、お友達が気持ちをコントロールできるようになって欲しいと望んでおられました。
そして、否定的ではなく肯定的な考えを身につけて欲しいと願い、成長を見せ、普通学級へ移れるようになって欲しいと願っておられました。
お友達の個別支援計画には、人との関わりや物事の理解等を学び、日常生活や交流に活かせるようになることを目指すものとなりました。

本来、人との交流は、楽しくて、どんなことからも学びがあり、充実を感じられるものです。
お友達は自分の視点が世界の全てだったので、人には人の考えがあることに気づくことがありませんでした。
そこでCOMPASSでは、遊びや制作の活動で、相手の気持ちを受け止められるように促していくことにしました。
人との接し方や対話の仕方、物事の善悪の判断を学べるように促しながら、同時に交流でしか味わえない楽しさを共有し、柔軟な接し方を通して相手からの信頼や充実感を感じて、自然に学んでいけるよう支援していきます。
大抵皆で同じテーブルを囲んでワイワイ始まる作業なのですが、誰かとの同席を嫌がり、座席を離して取り組むしかないこともありました。

お友達は学習も頑張りました。
見通しを立てて活動ごとに気持ちを切り替えられ、穏やかに過ごせることを目指し、今日のスケジュール、学習課題の内容、範囲等を確認してから課題に取り組むことを習慣としていきました。
個別の課題での折り紙や制作は、お友達の大好きな分野で、集中して取り組めていました。
細かな作業は苦手なのですが、ハサミ、ノリ、セロテープ等での制作はお友達の得意とするところです。
その制作の機会に、その場に適した否定的ではなく肯定的な言葉遣いを引き出していくように意識した促しを続けました。

会話の改善にも取り組みます。
自分目線での理解と判断が全てだったお友達は、同様に、会話も自分からの視線に基づくものでした。
主語がないことが多く、何がどうなったのかというストーリーが掴みにくいものでした。
そこで、先生たちは話し合い、その場その場のいつ、誰が、どこで、何を、どうしたかという「5W1H」をなるべく引き出すよう、会話の矯正を試みました。

改善や成長を目指し、いろいろな促しや、お友達の中に眠る可能性を引き出しながら関わり続けた日々。
2年半ほど経った一昨年の秋を迎えた頃に、頑張りが成長のカケラとなって現れて来ました。
そして今では誰にでもわかる言葉にして表現できるようになっています。
お友達の描いた物語や作文を周りのお友達や先生に披露すると、こぞって皆が絶賛してくれるようになりました。
褒められたことが嬉しくて、自信に満ちた笑顔を見せるお友達です。
人との同席を嫌がっていた様子は今では全く見られず、誰が隣に来ても穏やかに笑顔を見せて取り組んでいます。
できるようになったことやわかってきたことはお友達の力になり、苦手だった細かな作業も「できないから、いや。」ではなく「やってみよう!」と、挑戦する気持ちを後押ししてくれているようです。

言葉のキャッチボールと言いますが、まさに気持ちをのせた言葉を交わすことができ始めたお友達。
この春には保護者様が当初から願っておられた支援級から普通級に移行することも決まったそうです。
まさに芽生えから、大きな花を咲かせようとしているお友達。
新しい環境でも、相手の気持ちを受け止めながら自分の思いを上手に伝えたり、応じたりできるようになることを目指し、新しいスタートラインへと向かいます。

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