COMPASS松山 上空から見れば(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS松山に2年前から通っているのは、今年、年中さんになったお友達。
ひどくマイペース、初めての場所、人、馴染まない環境の変化が苦手、ひとりきりで遊び、大勢の人がいる場所には近づきません。
話すことはできますが、滑舌が悪いところがあるため聞き取りづらく、会話が弾みませんでした。

そんなお友達の様子が気がかりな保護者様は「親以外の人とも関わりが持てるようになって欲しい。」とおっしゃっていました。
そして「年の近い友達とも関わりをもって、言葉でのやり取りができるようになって欲しい。」とCOMPASSでの成長に期待を寄せておられたと言います。

保護者様の願いを受け、立案した個別の支援計画は「まず語彙を増やし、言葉で自分の気持ちを伝えることができるようになること。」「お友達同士の関わりを多く持ち、他のお友達や周りの状況を見ながら、自分のやりたいことを言葉で伝えられるようになること。」を目指すこととなりました。

人が苦手。
誰かと話して失敗したり、面倒で嫌な思いをするくらいなら、僕はひとりが楽しい、ひとりが楽。
ずっとそうして過ごしてきたお友達は、もうどんなふうに話せばいいのか、どうやって遊べばいいのかわからないといった様子です。

個別指導でお友達と向き合い、取り組んだ課題は語彙を増やすための絵カードで正しい発音を耳で聞き模倣します。
絵本の読み聞かせでは目の前で展開されるお話で、会話に繋がるように文章を読み解くこと、ストーリーをイメージする力を育てていきます。
合わせてひらがなのなぞり書きや運筆にも取り組み、着座することをマスターしながら、指示に従って1つ1つやり遂げることや、課題から次の課題、工作から課題へと切り替えることも学んでいきます。

どこまでもマイペースなお友達、当初は集団活動でも同じように自分流を通そうとしていました。
例えば集まって工作をするとき、周りにお友達がいると落ち着かない様子です。
工作で使うハサミなどの道具もCOMPASSではあえて頭数より少なくして「貸し借り」を学ぶ機会としています。

もちろんその頃のお友達は貸し借りができず、黙って奪ってしまうような場面も度々ありました。
その度に正しい行動を教え、視線を自分だけに向けるのではなく、周りにも目がいく機会をたくさん作っていきました。

抵抗したり、離席したり、切り替えられなかったり・・・
COMPASSの他のたくさんの成長したお友達もそうだったように、ゴールに至る近道はありません。
お友達もまた目指すゴールまでに必要な回り道や、足踏みや、時には引き返してしまうようなことも経験していきました。

険しく山あり谷あり…、ですが、その道は上空から見るとまっすぐゴールに向かっています。
楽な近道もない代わりに、無駄なことなど一つありません。
そしてまだ幼いお友達との関わりには、ゆっくりと時間をかけました。
まだお友達には自分の世界から出て、学んだことをその世界に受け入れる準備が必要だったからです。
何度も、何度でも、わかるまで、受け入れるまで、そして、できるまで、お友達が自分で正しい行動を選択できるように導きが続きました。
(後編へ続きます)

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