吉富Kind 本当の自立を目指して(2)

春、お友達は中等部へ進学し、まっさらの制服に袖を通しました。
おそらく初めて見るスカート姿のお友達は「女性」であること「中学生」になったことを意識し始めたようで、これまでとは違い「制服」が功を奏して、振る舞いも幾分女性らしくなってきました。

さて学習課題ですが、おひとり様席を用意し、壁を向いて集中して取り組めるよう配慮してきたことで、少しずつ頑張る姿を見せ始めました。
また逆に、同学年のお友達に近い席に着席してもらって「どちらが頑張れるか?」など「比べっこ」を企画して、適正な競争心を育み、集中できるように導きもしました。

毎回、毎週、続けてきた「言葉遣い」「話し方」の成果として、ご家庭でも「パパ、ママ」と呼んでいたご両親を「お父さん、お母さん」と呼ぶようになったそうです。
すぐに崩れ、前屈みになっていた姿勢も綺麗な姿勢を維持し、集中できるようになってきました。
また、これまでのお友達の書く文字は「ひらがな」だけでしたが、中学生になってからは苗字だけは漢字で書けるように練習しています。

明らかに以前と違うのが、自分も「こうなりたい」という意欲を見せるようになってきたこと。
これはお友達が自分自身で「いずれ親元を離れる日が来ること、それもあと少しだということ」を実感し始めているからだと思われます。

進学前の3月にモニタリングが行われました。
相談員さんと保護者様、COMPASS児発管との三者面談が行われ、就労支援事業所の利用方法や今後の手続き、具体的な収入の予想までを詳細にご説明しながらお友達の将来について話し合いました。
その折に保護者様が「『お父さん・お母さん』と呼ばれたとき、本当にびっくりしました!」とお友達の変化について話され、また以前と比べ「何か手伝おうか?」と自分から聞いてくれたり、保護者様がいなくても妹とふたりで留守番できるようになってきたことなど喜びを話しておられたそうです。

保護者様は、社会への旅立ちに向け、支援学校での職場実習先へ訪問見学をされたり、COMPASSにもどんな取り組みをしているのか、自宅ではどうしたらよいかなど、今まで以上に熱心にご相談が増えてきました。
保護者様にとってずっと慈しみ、大切に育ててきた娘が社会人として旅立つにあたり、できる全てを与えておきたいと思われていることでしょう。

それを受け、COMPASSでもSSTをはじめ、適切な言葉遣いや挨拶、返事、お礼などがきちんと言えるように練習を続けてきました。
お友達もそれらの課題にとても熱心に応えてくれ、今では下書きなしで漢字で名前を書けるようになったり、数字もほとんどひとりで書けるようになったりと、徐々に継続の成果が見られています。

「できた!」から「できるようになる」、そして定着してお友達の力になるまでには、何度も、何度でも、繰り返し、できるまで、わかるまでの継続した取り組みが必要です。
通い始めてから7年余り。
今ここにきて、お友達から先生達はグングンと成長に向かっている一番の手応えを感じさせられているのだそうです。
伸びているからこそ、先生達は、口うるさく叱ったり注意するよりも「褒めて伸ばす」を意識して、しっかりと関わりを続けています。

中等部になって初めての夏休み。
この夏、COMPASSでは、これまでの課題の繰り返し学習に加え、生活動作のトレーニングと、素敵な女性になれるよう、身だしなみや言動に気遣いのエッセンスが散りばめられた支援を計画しています。
本当の自立を目指し、素敵な未来へ向かって歩き始めたお友達のこれからの成長が本当に楽しみです。

COMPASS発達支援センター吉富Kind
所在地:〒871-0811
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