COMPASS吉富 1,2,3・・・そしてその先へ

水曜日のCOMPASSです。
今日の主人公はCOMPASS吉富の9歳の女の子。
2年前の春からCOMPASSに通っています。

お友達はとても素直で、笑顔がとても素敵な子です。
でも実は「数」がとても苦手。
先生と一緒に1、2、3・・・と数字を読んでいくことはできるのですが、数字の概念がちょっと曖昧なようです。

数字が苦手、数学が苦手という方は意外といらっしゃるかもしれません。
苦手だと思った途端、それはまるで難解なパズルのように思えてしまいます。
これは苦手と認識したものに対し、脳がストレスにならないよう自衛しているからなのだそうです。
ストレスを回避するため、脳が新しいものに対して拒否反応を示すのは特別なことではありません。
脳が防御体制に入ると、右脳での漠然としたイメージが遮られて、左脳で整理整頓される前にシャッターが降りてしまうのです。

これを乗り越えるためには、何度でも繰り返し、少しずつ段階を上げて慣れていくしか方法はありません。
嫌いな食べ物を我慢して食べるようにすると、慣れてきて、美味しく感じないまでも食べられるようになるのと似ています。
何度も繰り返すことで、次第に慣れてきて、頑なな拒否が起きなくなってきます。
苦手な数字に対しても、見て、触れて、確認してともかくやる、翌日も同じように、またその次の日も同じことを繰り返します。

すると、時間がかかりながらも段々慣れ、苦痛ではなくなってきます。
苦痛から解放されると「できる」ようになり、できると「面白いな」と感じられるように。
ここまでくるといきなりシャッターが降りることはなく、右脳でイメージされ、情報が左脳にまで伝わり、論理的思考として処理されるようになるのだとか。
さらに繰り返すことで記憶として定着し、使いこなせる能力となっていきます。

お友達の目標は、数字を認識出来、個数の概念を理解し、数字と物の数が結び付いてわかるようになること。
目の前の数字に、ちょっとこんがらがってしまう様子のお友達。
そこで、楽しく、飽きずに数への興味に導くために、先生はまず手作りの教材を準備しました。
傘の他、鉛筆、帽子、水筒、靴、フォークの絵柄など、馴染みが深い日常の道具を選びました。

各絵は6枚ずつ、袋に1~3の数を付けて、数字と同じ枚数だけカードを袋に入れます。
最初の頃、2まではこなせますが、3以上になると迷って動きが止まってしまうため、まずは3までに限定して学習を行うことに。
この学習には相当な時間が費やされ、繰り返し、繰り返し行われました。
これが実を結び、次第にバリエーションが増えていくお友達。
数字だけのカードでも、「1」のカードを見て「イチ」と言い、裏返してイチゴに指を当てて「ひとつ」と言いながら数えるように。

1~3までに限った学習、繰り返しの効果で、お友達の数字の理解は深くなっていきました。
迷うことなく数字を言えるようになったお友達、自信がついたのか、最近はとても意欲的。
自分から興味を持って、もっと上の数字もやりたいと申し出ます。

今、お友達が挑戦しているのは「1〜10」までの数。
まだ慣れない数は混乱し「3」と「8」を間違えてしまったりすることもありますが、時間をかければ光は見えてきます。
あんなに苦手だった数字を学習することが、お友達は大好きになりました。
大好きになるまでにはどんなに苦痛だったことかと思うと、胸が熱くなるほどです。
本当にその頑張りは素晴らしいものでした。

このお友達も勿論ですが、成果を出しているお友達はみんな努力家です。
そして、その頑張りの先に「自分の力でできた!」「やれた!」という感動と喜びが待っています。
その輝くゴールだけを、今、お友達は見つめています。

COMPASS発達支援センター吉富
所在地:〒871-0811
    福岡県築上郡吉富町広津550-1
連絡先:0979-23-0817

(事業所名をクリックして頂くと、事業所案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)

初めての方へ

COMPASSの療育手法
ご利用者の声
COMPASS施設一覧