COMPASS熊本東 空想からリアルの世界へ

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS熊本東には年長さんの3月から通っているお友達。
お友達は空想の世界に住んでいるかのように振る舞っていました。

写真はイメージです

 

明るくて、おしゃべりが上手なとても楽しいお友達。
でも着座して課題を・・・となると離席。
集中が途切れ、唐突に「ガォー」と言い出したり、いきなり歌を歌いだしたり・・・
落ち着かず、いつも何かにイライラ。

塗り絵で大好きなゲームのキャラクターを塗っていた時、架空の人物ではあるものの、そのキャラに対して「コ◯ス!」など、怖いことばを使ってみたり、唐突に大きな声を出したり。
お友達は確かにここにいるのに、全ては空想の世界での出来事で、リアリティがない言動です。

そんな反面、「命をいただく」(屠殺される肉牛の話)という紙芝居を聞いたとき
牛のみいちゃんを「解く」シーンには胸がいっぱいになったお友達。
「先生、そのお話しはもうしないで。・・・可哀想だから・・・。」と、
心を震わせて涙するような優しい面も見せてくれる素敵な側面も持ち合わせています。

小学校に通い始めてからも、学校で嫌な事があったら大きく崩れ、他のお友達にも「こっちを見るな!」など、暴言を吐く場面もありました。
そこで、学校で嫌な事があったらお話を聞いて、絵を描いてもらい、気持ちを整理するなど様々な方法を試みました。
また活動開始前には「お約束」をするようにしました。
「勉強中は歌を歌いません。」
「先生の話を最後まで聞きます。」
「悪い言葉は使いません。」
「勉強中は勝手に席を立ちません。」など、
お約束はお話と一緒に絵を見せながら確認します。
この取り組みで「やっていいこと」「やっていけないこと」「いいタイミング」「場面を読む」などを状況ごとに判断ができるように支援します。

写真はイメージです

 

言葉はたくさん持っているのですが、自分発信でしかうまく使えません。
気が昂ぶっているときには、先生の指示の意味がわかっても心で受け止められず、行動を取れず浮いてしまいます。

そこでお友達が判断しやすいよう、イエローカード、レッドカードを見せ、最初に約束するようにしました。
「◯◯さん、イエローカードを2枚見せられたらアウトですよ。」
「レッドカードなら1枚でアウトです。」
イエローカードが2枚で、勉強を頑張った「ご褒美」の自由時間がなくなってしまうというもの。
課題が終わった後の「大好きなお楽しみ」は出来なくなります。
お友達はCOMPASSで行う工作やお絵描きが大好きですから、一生懸命我慢します。

感情がほとばしり、体勢が崩れそうになると、慌てて「い、今のはセーフですか?」など自分の行動を意識するように。
崩れたとき寄り添う事も大事ですが、自分のイライラでお友達に「見るな!」と言ってしまい「ハッ」とする表情になったお友達。
先生はお友達の眼を見て「今のはしていいことだった?」と機会を逃さず、しっかり話し合います。
責めるのではなく、お友達が判断できるよう、必ず「何が嫌だった?」「口で言って、教えてください。」と自己分析ができるように支援。
実は、自分で気づきを自覚しているものの、対応がわからなくて困っていたようなのです。
そこで、「こういう風にお願いしたら?(言ってみたら?)」と先生が提案します。
解決方法を提案すると、じっくり考えて納得し、落ち着いて反省の言葉を口にできました。
繰り返される導きで少しずつ変化が現れます。

写真はイメージです

 

本来は、とても優しいお友達です。
感情のコントロールができるようになると、こんがらがった糸を解きほぐすように、お友達はみるみる変わっていきました。
集団活動へも切り替えに手間取り、いつも途中からしか参加できなかったお友達。
それがここ数か月は、開始の声かけがあるとすぐに椅子を持って移動し、最初から参加できるように。

写真はイメージです

 

他にも、例えば一緒に机を並べてお勉強するお友達が落ち着かないと、
「バタバタしないでください。」とか、
「こっちに置かないでください。」など、
騒いでいるお友達に伝えようと、丁寧な言葉でお願いする事ができるようにもなりました。
・・・もっとも自分の方がお友達のお勉強の邪魔をしてしまうこともありますが、すぐに反省し、立て直すこともできています。

写真はイメージです

 

4月からは小学校3年生になるお友達。
学校だけでなく、社会でも社会性はとても大事です。
オンとオフ、お友達が自分で判断して行動する道筋がしっかりとできつつあります。
優しい心そのままに、その優しさを周りにも表現できるように。
リアルの世界で、周りとしっかりと手に手を取り合っていけるように。
屈託のない表情で、確かな成長を見せるお友達の笑顔は輝き、自信に溢れています。

OMPASS発達支援センター熊本東
所在地:〒862-0970
    熊本市東区渡鹿8丁目9番22号
連絡先:096-321-6788

(施設名をクリックして頂くと、施設案内ページへ。電話番号のクリックで電話がつながります。)

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