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音を覚える順番は?

言語習得は野菜作りと同じ

料理をするにも、野菜を育てるにも手順があります。私は子ども達の為に小さな農園の管理をしています。農作業で一番の花形は収穫です。秋口にさつまいも、春先にじゃがいも、

夏に枝豆やナス等の収穫を行います。楽しくて華やかな作業だけ子ども達や他の職員と一緒ですが、実はそれまでには大変な努力が必要です。

 

言語習得は野菜つくりと同じです。多くの指導者は華やかな収穫だけに目が行きますがこれでは何も覚える事は出来ません。最悪一言も発語する事無く終わる等という事例は山のように相談にこられています。

 

肥料を入れ土を肥やし、しっかりと耕してから畝を作り、作付けします。水撒きも欠かせません。炎天下は早朝と夕方、仕事が遅くなって夜中に水撒きをするのも珍しい事ではありません。無農薬、飼料の不使用を決めておりますので、勿論除草剤等使いませんので3日もほっとくと春から夏にかけては雑草だらけとなります。これをしゃがんでボツボツ抜き取るのです。地道な作業があっての収穫です。

 

言語習得するにも子ども達がどの段階なのかそれぞれ状態が異なります。発語が全くできず土を耕す事から始める必要性もあります。私も最初は開墾からスタートしました。木の根を取り除き、土を入れ替えへとへとになって何度辞めようとおもったかわかりません。口の開閉が小さく舌が満足に動かない場合動かせるように訓練しなければ永遠に発語は望めません。発語に必要な舌の動き、顎の動き、唇の動き、それぞれ必要な顔の筋肉が未発達であれば、発達を促し、動かす事が出来るように指導しなければ発語はないのです。

 

音の現認ができたら、あとはコツコツ育てるのです。一般的な音声習得の流れを列挙しますが、これに該当しないからと言って諦めるのは止めて下さい。あくまでこれらは指針です。研究機関により見解もまちまちですので、あくまで一例です。(実際私達が使用している音声スケールはこの表記とは異なる独自の見解も持っております。)今回の記載事例は、あたりさわりのない平均的な物ですので、これに該当せず、早かったり、遅かったりする事は決して珍し事ではない事をご理解下さい。

音声習得の流れ

●生後2カ月頃

喉の奥で作られるクーイングと呼ばれる音を出します。

母親の口元を見つめマネする等の行動も見られます。

 

●3カ月頃

あやすと笑顔で、笑い声をたて母親の働きかけに応えます。

ニコニコ笑顔はとても重要であり、3ヶ月検診等でも確認される事項です。

反応が見られています。静かで無反応は注意が必要であると思われます。

 

●4カ月から5カ月頃

他者とのやりとりでよく声が聞こえる時期です。

泣いたり、叫んだり、うなったりと発声するための機能を徐々に獲得していきます。

 

●6カ月前後

「マママ」のように同じ音の反復する標準喃語が見られます。

子音と母音が組み合わさった音の発達が見られます。

 

●7カ月前後

赤ちゃんからの呼びかけが見られます。何かを訴えたり「ううう」「んんん」という声が聞かれます。

 

●9カ月前後

オウム返しのようなマネがみられます。

 

●11カ月前後

標準喃語から組み合わせの音の発声がみられます。

 

●1歳頃

喃語から発展し「パパ」「ママ」「マンマ」と具体的な語彙が目立ち、「ワンワン」等の擬態語等も目立ちます。

 

発音を覚える順序性がみられ聞き分けやすい、マネしやすい物から発達してきます。

◎第1群(2歳迄に獲得したい音)

マ行・ヤ行・ナ行・パ行・バ行・ワ行

 

◎第2群(2歳から4歳で獲得が理想)

カ行・ガ行・チ行・チャ行・シ行・ジ行・シャ行・ジャ行・ハ行

 

◎第3群(4歳から5歳)

サスセソ・ザズセゾ・ラリルレロ・ツ

手間をかけてしっかり育てる

早く獲得する音群と、ゆっくりと獲得に時間のかかる音群に分かれます。標準的な音群をここで知るより、お子様の特性を理解し、どの音が出ているかをチェックしながらお子様の発語の成長を確認される事が指導するにおいても大切な指針となりますので、標準にとらわれず何度も何度も毎日毎日繰り返し定期的に練習し全ての音を獲得する事が大切であるとご理解下さい。

 

野菜作りと同じです。手間をかけてしっかりと育てる事が大切です。一部の発語を突破口であるとご理解下さい。オウム返ししか出来ません等と嘆かないで下さい。オウム返しすら直ぐに出来ないお友達もいるのです。

 

発声ができるようになれば、あとは時間をかけるだけです。後戻りしないように、後退しないように、毎日毎日取り組む事が大切です。ついご家庭では仕事や、家事、育児におわれてせっかく獲得している事で安心しきってしまい日々の取り組みがおろそかになってしまいがちです。

 

それを個別に日々療育指導する事で、着実に前に前に進んで行く事が出来るようになります。上記に記載した流れはあくまで一例です。上記の流れも一般事例ですので、落胆しないで下さい。

 

コンパスでは、3歳まで3語程度しか発語できなくても、爆発的に話し出したり、年少になり就園してから沢山話せるようになったという事例が沢山あります。B1で発語が出来ないと言われているお友達であっても、僅かな期間で平仮名を習得し、200語以上の単語を発話出来るようになっているのが現状です。

 

正しい取組み、日々の療育指導があれば必ず言語獲得は出来るのです。諦めず続ける事が大切です。ちょっと努力しただけで獲得出来るほど容易な事ではないのです。開墾作業と同じです。へとへとになってもうやめたくなりますが、続けて行けば結果は必ずついてきます。毎日雑草が出てきても毎日取り除けば綺麗になくなりしっかりとした野菜の成長に繋がるのです。

 

妙な農薬は使わなくても良いのです。変な投薬は百害あって一利無とご承知下さい。たやすい道を選ばないで下さい。言語習得は年齢が低い程早い進歩が見られます。どうか焦らず取り組んで下さい。お子様だけを見つめて下さい。周りと比較しなくても大丈夫です。

コンパスは登山の道標

 

登るべき山には沢山の登山ルートがあるのです。道は一本ではありません。登りやすい道を選んで挙げる事は指導者の知恵です。登れるように道を作って挙げる事だってできるのです。1日で登る必要性はないのです。2日かかっても、1週間かかっても1ヶ月かかっても登り切れば頂上を知る事が出来るのです。

 

最初の1歩が出にくい時もありますが。一歩一歩進んでいけば、必ず頂上に上がれます。小さい時は手をとって、おしりを押して、時には背負って登る事が出来ますが、大きくなってしまうと手に負えなくなってしまいます。1年でできなくても、2年かかっても、登り切れば頂上に至り、新たな道を目指す事が出来るようになります。

 

私達はその道標です。方向を見失わないようにする子ども達のコンパスです。霧の中でも荒らしの中でも、進むべき方向をご両親にお伝えするために創設された施設です。登りきるのは大変ですが、頂上には素晴らしいプレゼントが沢山あるのです。一緒に頑張りましょう。