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良くなることが大前提

見守り型の療育手法からの脱却

私達は、既存の見守り型の療育手法とは異なり、如何に自立した力を養い、社会に適応する能力を獲得出来るかという点を目指し研究を行って参りました。現状を打破し、よりよく社会生活に適応する為には何が必要か、それぞれの特性に合わせた詳細な指導計画を立案し実施致しております。

 

問題を克服し、社会に適応する能力を獲得しえるのか?

どうやったら、意思の疎通ができるのか?

どうすれば自己コントロールできるのか?

どうすれば言語が獲得できるのか?

意味を理解させる方法は?

規範を身に付ける方法は?

静かに待つために必要な指導方法は?

奇声をあげない方法は?

これらを解決する方法は何か?

どうすると我慢できるのか?

やる気を出す方法は?

 

問題は山積しておりましたが、私達は慌てず、焦らず、諦めず一つ一つの課題に真摯に取り組み、時間と労力をかけて解決の糸口を模索し実証実験を繰り返して参りました。私達の療育は借り物ではありません。実際の取組の中で発見した手法です。

進歩成長することが大前提

私達の療育手法は一朝一夕の物ではなく28年にも及ぶ、諦めない心と、研究と実践そして机上の空論ではない、実証実験の繰り返しから導き出された療育手法です。何とかしようとご両親と一緒にあがき苦しんだ結果であるとご承知おき下さい。

 

そして何より、私達の療育姿勢は「進歩成長する事が大前提」であるという事です。これが見守りや単純な預かりレスパイトだけを目的とした事業所との大きな違いです。「進歩・成長・発展しなければ意味がない」というのが私達のスタンスです。諦めていないのです。諦めず対峙し続けた結果、私達独自の療育手法を確立するに至ったのです。

 

保護者の精神状態等勘案すれば、保育的な見守りもあるかもしれません。怪我をさせず、事故を起こさずという考え方もわからないわけではありません。しかし子ども達をお預かりする段階で、すでに保護責任者の使命は負っているのでは当然であり、療育者というのであれば、進歩を促して当然ではないでしょうか?

 

お友達の抱える問題と取り巻く環境、学齢にも左右されますが、身体に重篤な問題がなく、ある程度の模倣や、意思表示ができ、口蓋等に重篤な問題がなけれれば、その子の成長を少しでも促す働きかけを忘れてはならないと思います。怪我をせぬように見守るだけの療育姿勢では何ら問題を解決する事は出来ず、これは支援者の本質的療育責任の放棄ではないかと残念でなりません。

 

とある療育風景ですが如何思われますか? 子ども達を、個室にいれて、DVDを見せるだけ。子供は繰り返し、DVDを出したり入れたり、好きな所を再生して見るだけ。これは果たしてこれは療育でしょうか?これを毎日、毎回繰り返すことがその子の為になるのでしょうか?

 

よく頑張ったのでご褒美でテレビ鑑賞したり、道徳教育の延長線上で視聴させその後の社会認知性を高める為の行程であれば理解できますが、騒ぐので一日中視聴させるのが果たして本当にその子の為になるのか甚だ疑問でしかありません。指導責任を放棄しているのかとも考えてしまいます。

 

レスパイト出来さえすれば果たして良いのでしょうか?並行してしっかりとその子に会った療育指導を行うべきではないでしょうか?(レスパイト=一時的なケアの代替)

 

コンパスの前身、みつば会で得た教訓として「結果重視」「結果を出して初めて支援に成功したと言える」という考え方が根底となっております。少なくとも進歩無き療育は療育とは言えないと考えます。何か月も何年も通っていて何ら進歩も変化もない、どんどん悪くなるだけなのは何故でしょう?

 

療育指導を何年も受けても、何故進歩しないのかが一番の問題です。支援者側の根底の考え方が、「もともと悪いので、これ以上は改善しない。」という諦めが最も大きな問題ではないかと危惧しております。

指導者の育成が不可欠

指導者が、教育的知識が不足しているのも大きな要因です。本来素晴らしい療育指導を行われている先生は沢山おられますので、その手法を学び実践するべきではないかと思います。沢山研修に参加するべきですし、管理責任者は定期的な研修を受けさせる責務もあるのではないかと思います。指導者に休む暇もないのも見直さなければならない要素だと思います。

 

半年、1年経っても何ら進歩が認められない場合、療育手法がその子に適応しているのか、指導者全員で考え、新たな取り組みを行う責務があると思います。取り組みを見直し考える時間を作る事が指導者の成長にも繋がると思います。

 

各事業所の指導者に最新の教育研修を行うべきです。質問をしても的確な説明が行えるだけの力量を養う必要があると思います。療育に関わる指導者は切磋琢磨し互いに指導スキルを磨くべき立場であると思います。専門知識を身に付け、保護者が安心して相談できるような力量をもつべきではないかと考えます。

 

私自身、10年余りの園長経験から、若手の育成は困難を極めており、若手の先生で、なるほど凄いと思えた方は、残念ながら一握りで、子ども達の進歩を信じて、苦心惨憺見よう見まねで取り組んでおられる先生も少なくありません。

 

業務が忙しく、新しい論文すら読まれる時間もないのはよくわかります。しかし初心に戻り、そこ子の特性を理解し、正しい指導計画を立案、実践するために立ち上がって頂きたいと切望するばかりございます。今後さらに対象児童も増えると予想されており、症例も多岐にわたりますので、研修を受ける事が出来る時間管理も事業所管理者の重要な責務になると思われてなりません。

 

力量のある先生は人気ですから、その先生に指導して頂けるかもくじ引きの様で、人気の先生はお忙しい為に何か月も面談すらできず、僅かな指導時間しか頂けないのも事実で、タイミングが悪ければお会いする事も出来ないというもの現在の療育状況の現状だと思います。

 

専門機関で診断し、結果を頂くまでに数か月かかる事も珍しくなく、私どもにこられている方の事例では療育指導をして頂けるようになるまでに10か月かかった事例も珍しい事ではありません。

 

その間に保護者の心が折れてしまう事も少なくないと思います。1ヶ月に1回の指導であれば、家庭でどのような取り組みを行う必要があるのかしっかりと保護者に対しての指導も必要になっている時代が来たと確信しております。

 

1ヶ月に1回のご指導でも、多くの保護者は仕事を休み、期待を込めて通所しております。保護者に対しても専門的な取り組みを伝授し、家庭で実践頂く事が出来るような体制作りが不可欠な要素であると考えております。

 

何も伝えず、日々の取り組みが出来なければ、進歩や成長が得られないのは自明の理でございます。療育に関わる多くの指導者や支援を支える方々が忙殺されているのは重々承知しておりますが、子ども達と、保護者の為にさらなる尽力を期待するものであります。

 

諦めないで取り組んで頂きたいと心から願っています。職域の環境を整え、しっかりと休暇も完備し、しっかりとした研修体制の樹立を願うばかりです。そして一人でも多くのお友達の進歩と成長を導き出して頂きたいと願っております。

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