COMPASS須崎 受け入れ、寄り添って(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS須崎に通うお友達は13歳。
2019年から通い始め、来春には中学校の3年生になります。

通い始めた当時のお友達は小学校5年生。
お友達の言葉には遅れがあり、自発的な発語もありませんでした。
お友達の言葉は、身体の動きで気持ちを表出させるだけ。
恒常的なことへのこだわりが強く、イレギュラーなことがあれば感情をあらわにし、手が出てしまいます。

好きな物へのこだわりも強く、トイレに行くとずとそこにいて、ドアの開け閉めをくり返したり、機会音が気に入ったのか換気扇のスイッチを入れることをくり返したり・・・。
気持ちの切り替えも難しく、活動に入るため着座を促すと嫌な気持ちを「イー」という奇声で表し、怒り始めます。
さらに気持ちがおさまらない時には壁などを叩いて「やりたくない」と意思を表出し、着座がままならないこともありました。
どの活動でも誰にも関心がなさそうで、一人で過ごしていたのだそうです。

保護者様は、お友達を想い「無理せず、自分らしく成長してほしい。本人の興味があることを伸ばしてあげたい。」と希望しておられました。
他の子との関わり方や読み書きなど、少しでもできるようになればと願い、少しずつ言葉を学び、少しずつ言葉と行動が一致できるようになって欲しいと願っておられました。
「いつか…」と話され、「自分から話してくれるようになったら嬉しいし、他者との関わりがが少しずつできたら良いと思います。」と語られていました。

個別支援計画では、集団への指示に対しても行動ができるようになり、他者とのコミュニケーションがとれるようになることを指針にしました。
また、積極的に学習に取り組めるようになり、達成感や向上心を持つことができること、指示を受け入れ、行動できるようになること、集団での活動に参加することができるようになること、また色々なことに興味を持ち、活動できるようになることを目指していきます。

まず着座、これがCOMPASSの活動の基本です。
着座姿勢が定着するようにお友達の気持ちに寄り添うことを軸において関わりを始めます。
お友達は乗り物や虫などに興味を示したため、発語練習に乗り物カードや虫カードを取り入れて発語練習に取り組んでいきました。
まずはお友達が興味を持っている活動や自発的に取り組む遊びを先生が好意的に受けとめ、それらの活動を一緒に行うことで楽しい時間を共有していきました。

時間の経過と共にお友達の関心は移っていきましたが、紙飛行機に興味を持っていた時期には、手先のトレーニングとして紙飛行機作りを取り入れ、製作したり飛ばしたりすることを楽しめるようにしていきました。
手先のトレーニングにじっくりと取り組むことで着座に慣れ、着座時間を延ばしていきました。
余暇の時間にお友達が自発的に遊び始めると、近くで遊んでいる別のお友達にも知らせ、様子を見ながら両者の間を取り持ちながら少しずつ関わり合えるように促していきました。

来所のたびに繰り返し行われる50音の練習やカードを使った言葉の学びであるときからおふざけなのか、お試しなのか素直に指示通りに言葉を発することがなく、濁音でない言葉を濁音で発音したり、逆に濁音の言葉を濁音無しで発音することをどうやら面白がる時期があり、自分の名前にも全て濁点をつけて読んだり書いたりしていました。
先生の反応が面白く映るらしく、イタズラな眼差しで楽しんでいるお友達。
本来叱るところなのかもしれませんが、先生はそんなお友達の態度をむしろ自発的な発語として肯定的に捉えるように受け止め、復唱しながら言葉遊びのようにやり取りを行うことで面白さを共有していくことにしました。

 

そんな信頼関係を築くことに丁寧に取り組んでいたお友達と先生の日々は続いていきました。
最初は着座を促すだけで怒り始め、先生が声をかけたり促すと怒り、着座できたときには、文字のなぞりや色塗りには取り組むものの、素直に従っている自分が嫌になるのか、抵抗する気持ちから乱雑な殴り書きのような運筆になることもありました。
そんな関わりが1年ほど続いた頃だったでしょうか。
次第にお友達は素直に先生の言葉に反応し、促しに応じるようになってきたと言います。
(後編へ続きます。)

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