COMPASS樟葉 今、言葉の伸び盛りに…(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS樟葉にこの春から通うお友達は、4歳の年少さんです。
人見知りがあり、保育園にお迎えに行っても、乗車を嫌がってずっと泣いてばかりだったそうです。
利用開始時点で発語はありましたが、人でもモノでも何に対しても『パパ』『ねぇね』だけで、それは意味のない発信でした。

保護者様は、お友達が意味のない発語から伝わる言葉になって欲しいと願っておられました。
ご自宅ではお友達は一生懸命にジェスチャーで伝えようとするのですが、保護者様が一瞬その動作を見逃してしまうと、何を伝えたかったのかが全く分からなくなってしまうので困っておられるのだそうです。
また特定の人へのこだわりを手放し、人や環境に馴染んで過ごしてほしいと話され、また自宅では落ち着きがなく、ふざけていることが多いので、落ち着いて活動できるようになって欲しいと話しておられました。

この時点でのお友達の言葉は独特でした。
言葉と意味が一致しておらず、例えばCOMPASSで読み聞かせた『やさいさん』の絵本でも、じゃがいもや大根を指差して『パパ』『ねぇね』と発するのです。
すれ違った見知らぬ男の人も『パパ』で、同じ園から一緒に送迎する男の子のお友達も『ねぇね』だったとか。
ですが、ご自宅でも促しても『ママ』とは言わず、『パパ』『ねぇね』ばかりだったのだそうです。

個別支援計画は、場所や人見知りがあるお友達が、新しい環境や人に馴染み、身の回りのことを意欲的に取り組めるようになることを目標としました。
そして語彙力へのアプローチを軸におき、自分の思いを言葉で伝えることができるように目指していきます。
短期目標は、まずは環境に慣れ、自分の身支度をできるように様々な人と関わることでたくさんの言葉に触れ、自分の思いを自発的に伝えようとすることを目指しました。

COMPASSはお友達にとって新しい環境でしたが、少しずつ人や環境に慣れてきた頃から、椅子への着座を促していきました。
発語が少ないので『だるまさんが』シリーズや『やさいさん』などの繰り返しのある絵本を通して、絵本を楽しみ言葉をたくさん聞き、言葉を発してみようと思えるように丁寧に関わっていきました。
手指の力も上手く発揮できていないために、フェルトボールの「ぽっとんおとし」や洗濯バサミのマッチングなど手指活動を通して、指先の力の強化や色を伝え認識をつけていけるよう取り組みます。
なかなか上手くいかない巧緻性の活動でも、お友達は意欲を見せ、「もう一回」と指で表して挑戦をする姿も見られています。

お友達はままごと遊びが好きなようでした。
そこで、好きな遊びを机の上でできるようにし、着座できるように繋げていった。
好きなママごとクッキング遊びを通して、包丁で具材を切ったり、『いただきます』『ぱくっ(もぐもぐ)』『コレください』『ありがとう』『もう一回』など言葉を発しながら、ジェスチャーを踏まえながらの言葉のやり取りを楽しんでやれるように心がけました。
しばらくすると、『スプーン』を『…プン』と発したり、『コレッ!』と発信して欲しいものを指差したり、語尾だけですが、発語が少しずつ増えてきています。

COMPASSの学習教材にある、シール貼り、色塗り、点描、線なぞりなどをするときも、『(シール)ぴたん』『てんてん』『しゅーぴた。(点つなぎ)』と真似やすい言葉を添えて促していくと、お友達も先生を真似て、シールを貼るたびに語尾の『った』『ぴたっ』など発声を始め、点描でも『てんてん』と復唱する姿も見られ始めているのだそうです。
実は、利用開始の頃はトントンと点描ができず、先生が声をかけても点ではなく、短い線や、好きなように線を書いていたお友達です。
『てんてん』と声をかけたり、手を添えたりしながら関わっていくことで、最近では声かけで点描をする姿が見られるようになってきました。

実は全てが順調に進んだわけではなく、最初の頃はかなり大変だったと先生は振り返ります。
お友達の個別の人に、この先生じゃないとダメ!といったこだわりが園でも見られていたそうです。
当初は園に迎えに行くと、決まって泣いて抱っこを求められ、自分で歩こうとせず、靴も履こうとしないという全拒否でした。
車のシートに座るのも嫌がって動き回るので、安全面への配慮から2人でお迎えに行くように配慮しました。

事業所に着いても、やはり泣いて先生に抱っこを求め、抱っこをしてもらえないと座り込み、連絡帳を出したり、手洗いやうがい等のルーティンも促されても、自分からはやろうとしませんでした。
これらを考慮し、通い始めてひと月くらいは、お友達には個別指導や個室で関わり、COMPASSに馴染むことを心がけました。
事業所でもお友達の頑固さは発揮されていました。
絵本や手遊びなどお友達の好きな遊びに誘いますが、背を向け、頑なに見ようとせず、絶対にやろうとしない姿がありました。
敢えて誘うのをやめて、遠目から見守ってみましたが、テッシュで涙を拭いて泣き止んでは、また泣いての繰り返しです。

一旦泣き止んでも、先生と目が合うと、涙が出てくる姿も見られました。
そこで敢えて目も合わせず静観することにして、”先生はひとりで絵本を読んでますよー。”、”ひとりで遊んでますよー”という構えを取り、楽しんでいる姿を見せてみることにしました。
すると、少しずつ近づいてきて絵本に目を向け、ページをめくりにくるようになってきたのだそうです。

送迎でも活動でも、激しく泣いたり、こだわりや頑固さを見せて困らせる行動は、どうやら、お試しだったようです。
ほぼ、ひと月が経過する頃には、少しずつお友達の頑なな様子も緩みを見せ始め、本格的な言葉や生活動作の活動に取り組めるようになってきました。
(後編へ続きます)

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