COMPASS多良見 怒りの代わりに

水曜日のCOMPASSです。
昨年初夏からCOMPASS多良見に通うお友達は小学校1年生。
こだわりが強く、思い通りにいかないときには癇癪を見せ、集団行動に参加できず、指示通りに動けません。
保護者様は「出来ていることが継続できるように、少しずつでいいので成長してほしい。」そして日常会話や気持ちを伝えられるようになって欲しいと願っておられました。
個別支援計画では、日常会話や気持ちを表せるように言葉の表出を目指し、さまざまな取り組みを尽くしていくことが記載されます。

通所が始まった時点では、ごく身近な言葉以外、お友達が理解できている言葉は限られていました。
お友達の要求のほとんどは癇癪かクレーンでした。
お友達の絵カードは語彙を学ぶだけでなく、言いたいことを示すためのツールとしても活用します。
新しい言葉に出会うたびに先生は何度も声かけを繰り返し、お友達の反応を引き出していきました。

お友達が伝えたいことの絵カードを選び「ちょうだい」という身振りで先生に伝えるよう導きます。
そして「ねえねえ先生!」と言ってから先生の肩をトントンと叩き、呼びかけるという仕草を繰り返しやってみせました。

初めの頃、お友達は、どうしても新しい事業所に馴染めなかったようです。
そこでルーティンを好むお友達の性格を味方につけて、療育⇨遊び⇨おやつ、という流れを決め、その流れを崩さないように対応しました。
ひと月ほど繰り返しそのルーティンを継続していくうちに変化が見られるようになり、来所して荷物を片付けると、その流れで着座して、挨拶や学習に取り組めるようになってきました。
これが最初の変化です。

決まって思い通りにならないときには激しい感情を見せるお友達。
奇声を上げたり、癇癪を起こす代わりに「いや」という意思表示で通じるのだと伝え、まずは手を振り「嫌です」という気持ちを表す仕草の模倣をするように教えました。
もちろん仕草から発語につながるよう「嫌です」という言葉かけも必ず添えて、模倣を促していきました。

こうして半年が過ぎ、通い始めて初めての年末を迎えた頃。
お友達は、好まないおやつが出たときも、トイレに誘導されても行きたくないときも、様々な嫌な場面で怒らず手を振って『いや!!』と意思表示ができるようになりました。
模倣練習で何度も聞いた「いや」という声かけを模倣し、ごくたまに「イヤ!」と言っているような声も聞くことがあったそうです。
正直まだ奇声で強い感情を伝えることもありますが、仕草の模倣や絵カードで気持ちを示すなど、いろいろな伝える手段を選択できるようになって要求を伝えようとする様子が多くみられるようになりました。

保護者様はそれまではなかなかできなかった表現ができるようになったことを喜んでくださっています。
やりたくないことでも投げ出さず、終わったらご褒美があると知らせると、しっかり考えて頑張って最後まで取り組むことができるようになっているのだそうです。
COMPASSでも先生の肩をトントンと叩いて知らせたり、待つこと、周りのお友達にお菓子を配ることもできるようになり、「いや」や「バイバイ」のジェスチャーもできるようになっています。

継続してお友達の「言葉」への挑戦は続きます。
COMPASSの信条である「何度も、何度でも、繰り返し、諦めない」取り組みで、その重い扉は必ず開くはずです。
今できることの精度をさらに上げ、感情がコントロールできるように、怒りや拒否の代わりに、仕草と言葉で気持ちを解き放つことができるように促しを続けます。
そしてルーティンを守りながらも、少しずつ楽しんで集団活動ができるように、お友達の世界を広げる支援を続けていきます。

COMPASS発達支援センター多良見
所在地:〒859-0405
    諫早市多良見町中里129-9 森ビル2F
連絡先:0957-43-5538

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