COMPASS樟葉心の重なり（２） | COMPASS（コンパス）発達支援センター

COMPASS樟葉　心の重なり（２）

2022年7月20日

水曜日のCOMPASSです。
樟葉のお友達は来所のたび、コミュニケーションに繋がる課題、認識と手指を使った巧緻性向上に繋がる課題、粗大運動を空へ続く螺旋階段を登るように繰り返し、繰り返し、何度でも挑戦しながら一段でも上へ少しでも高くと上を目指し、継続していきました。
通い始めた翌年の5月には、ずっと変わらなかったお友達の言葉への反応に変化が見られるようになりました。

それから随所に成長が見られ始めます。
課題前の導入の手遊びやお友達のお気に入りの擬音が散りばめられた絵本を読み聞かせますが、この時点で目線を合わせられるようになっていきました。

目線が合い、気持ちが伝わる心の重なりを感じられる回数が増えるにつれ、OKなのかNOなのか、お友達がどんな気持ちなのか、またやる気も確認できるようになり、先生とお友達の課題はこれまで以上に楽しく活気あるものに変わっていきました。

活動に飽きてきたり、疲れてきたり、嫌になったときなどは、大抵の場合お友達は机上の物を床に落として拒否を伝えていました。
先生はいつもそれを拾い、お友達に「どうぞ」の声とジェスチャーを添えて渡し、お友達が受け取るというパターンの練習を続け、ただ嫌だから落とす、という行動から先生のするように（どうぞ）と真似て渡してくれるようになりました。

いつも落としていたので、散らかっていたいろいろなアイテムですが、お友達の近くにそれを入れる箱を置き、手本を見せて入れ方を教え、やがて声かけで自分で拾って箱に片付けてから着席できるようになっていきました。

お気に入りの擬音いっぱいの絵本、声色を面白がって大喜びのお友達。
読み手の先生の様子をしっかり見ていたお友達は先生のすることをしっかり見ていました。

色々なめくり方をみて学び、小さい声でそーっとめくったり、食べる動作をしているのを真似て、「あん」と言いながら一緒に食べる真似をしてみたり、職員に食べさせてみたりし始めています。

大好きな絵本の活動の効果は素晴らしく、擬音語に合わせてジェスチャー、音の長さを自分で発声しながら感情を表現してみたり、自分でひとつずつ玉そろばんを動かしながら、先生の声に合わせて音程や声の長さまで模倣して発声できるようになってきたのだそうです。

巧緻性も向上を見せています。
親指・人差し指の2本だけの指から、今ではしっかり5本の指が柔軟に動くようになり、生活動作の向上が期待できます。

身体運動ではお友達は膝を上手に使ってジャンプができず、足が前後に開いたままの低いジャンプが精一杯でしたが、今ではさまざまな身体の協調性運動を通して少しずつ膝を活用できるようになってきているのだそうで、高く飛ぶジャンプが見られる日も近いのかもしれません。

保護者様がお迎えに来られたとき、大きな声を出してはしゃぐお友達の姿をご覧になり、そんな様子をご家庭でも保育園でも見たことがないと、初めて見る我が子の姿に驚きと喜びを感じておられました。

膝を上手に使えずに着地で足が開いていたあのジャンプでも、最近は少しずつ両足を揃えてのジャンプの格好になってきているのだそうです。

その小さな足で歩むステップは小さく、まだ頼りないものですが、それでも少しずつ高みを目指し歩みは続きます。
運動が大好きなお友達、ワクワクしながら自分の運動の順番を気にして先に運動するみんなの様子を見に行ったり、大きな声で存在アピールをしたり、いつの間にか運動コーナーの席にちゃっかり着座していたりといった活発な姿を見せるようになってきました。

この『運動で気持ちの向上した直後の発語学習』から『運動を楽しみにする見通しを用いての課題取り組みと持続性向上』といった運動の時間と学習療育の時間を上手く連動させることで、よく声が出るようになり、メリハリある療育や生活が送れるよう成長を目指しています。

これまでお友達との関係性に連帯感が生まれ、少しずつ成長してきたこれまでの道ですが、これからはもっと広い視野を持てるように、これまでの１：１から周囲に目を向けられる１～２人のお友達との関わりで模倣や交流を続けることから始めています。
新しいステージでの取り組みでさまざまなコミュニケーションの向上を目指し、もっと笑顔が増えるようになってほしいと願いながら取り組みを継続していきます。