COMPASS本部教室 目標を持って取り組むこと(1)

月曜日のCOMPASSです。
北九州にあるCOMPASS本部教室。
ここに通い始めてもうすぐ3年になろうかというお友達がいます。

お友達が通い始めたのは、中学1年生の秋。
2年生まではCOMPASSにきて皆と同じように学習活動や工作、また集団活動に取り組んでいました。
お友達は、動物が大好きな素直で優しい性格の女の子です。
3年生のそろそろ進路を決めるという8月、学校で進路についての面談があったそうです。
その面談で、学校の先生から「志望する門司総合特別支援学校の職業専門コースの合格には、少し厳しい状況かもしれません。」と言われたのだそうです。

COMPASSでご相談を受けたとき、保護者様も「本人の希望が叶って志望校へ合格して欲しい。」と望まれ、COMPASSには「受験に向けた学習支援に取り組んでほしい。」とおっしゃっていました。
特に必要だったのが推薦入試科目の国語と算数で、この2つの教科の学力を伸ばすことを強く希望しておられました。

ご家庭とCOMPASSとの目標は完全に一致、そして目標達成の期日もはっきりしています。
個別支援計画の目標は、今回、大きく2つに分かれます。
X-dayに向かって、まずはこれまでの基本的な学習支援の中から、お金の計算や時計の時間読みなど、日常生活にも、入試にも必要となるスキルの習得に取り組みます。
そしてもう1つの目標は、国語や算数など、志望校への進路を確かなものにするための学力の向上です。

選択した教材は、これまでの門司総合特別支援学校の職業専門コースの過去問題です。
これは過去問題を解くことで、試験の形式に慣れ、お友達の現在の学力を正しく評価し、得意分野・不得意分野の確認をすることが狙いです。

こうしてまず1歩を踏み出したお友達との学習への取り組みです。
過去問を解くときは、定められた通りに時間制限を設け、静かな環境で行われました。
お友達は予想していた以上にサラサラ進み、決められた試験時間よりもずいぶん早く問題を解き終わってしまいました。
ところが答え合わせをしてみると、見直しをするという習慣が根付いておらず、ケアレスミスが目立ったと言います。
そこで、まずは見直しをするという意識付けに取り組みました。

お友達は、自分で買い物をしてお金を払うといった経験が少なかったようでした。
お友達の利用は週に1回・土曜日の終日利用だったため、毎回お弁当を持参していました。
そこでCOMPASSでは保護者様にお願いして昼食代を渡してもらい、近くのコンビニで自分で食べたいものを選んで、自分で支払いをするという買い物学習として活用することに。
渡されたお金の範囲で商品の値段を確認しながら買い物をするわけですが、最初のうちはレジで予定金額よりオーバーしてしまい、また選び直すということもあったそうです。

昼食を買い物学習にしてから3ヶ月ほど経つと、レジでオーバーするという失敗は見られなくなりました。
実践で学んだ感覚は机上の学習にも大いに効果を発揮します。
実は、過去問に「支払う金額はいくらですか?」というものがあり、紙幣や硬貨の絵の中からマル印で正しい金額になるものを囲むといった出題もされていたのだそうです。
やがて、お友達は「289円の商品を買うときは約300円、それと385円の商品は約400円、合わせて約700円必要かな?」というように計算を組み立て、「じゃあ、持っているお金で足りるかな?」とか、「足りないかな?」などといった判断も自分でできるようになっていきました。

明確な目標は意識を変え、意識が変われば人生を変える力が生まれます。
進学への道のりは来所のたびに継続して行われ、お友達は熱心に長時間机に向かい、集中を切らすことなく取り組む姿を見せていました。
必須だった「見直し」は、試験前ギリギリまで、何度も、何度でも意識付けの声掛けが行われたと言います。
そして、ついにその日を迎えることになりました。
(後編へ続きます)

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