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言葉の力

言語力の獲得は不可欠

長い療育経験の中で、社会に適応するために、不可欠な要素は言語力の獲得であると強く確信致しております。言葉がわかれば、意志を表す事が出来ます。言葉がわかれば指示を理解する事もできます。言葉がわかれば、相手の気持ちを推察する事も可能となります。

 

全ての力は言葉の力を得る事です。身体の接触や、アイサインで話が通じるのは保護者とその子の事をよく理解している人に限られてしまいがちです。口蓋に大きな問題がなく、適切な聴力があり、言葉はしゃべれなくても、ご家族の物まねや、テレビのヒーローの物まねが出来れば、適切な指導を行う事で多くの場合適切な言語能力を獲得する事が可能であると確信しております。

 

習得するまでにかかる時間には個人差がどうしても生じますが、喃語やクーイングができたり、ワンワン等の擬音語や擬態語が話せれば時間はかかってもまず言語能力を獲得する事が可能であると考えられます。

 

前出で3語しか話せないと思われていたお友達があるきっかけをもって急激に話始める事と同様であるとお考え下さい。適切な取り組み方、接し方、課題の与え方によって多くの場合必ず成長と進歩が得られるとお考え下さい。

 

少しの単語でも理解出来れば意志の疎通も格段にスムーズになります。お子様の記憶に関しての定着力にもよりますが、事例によって、僅か2ヶ月程度で200を超える日常単語を獲得し、理解し、話し、読むようになる事も私達の事業所においては、決して珍しい事ではございません。

意思の疎通がもたらす変化

言語が理解できると、何か嫌な事があっても、暴れたり、奇声をあげる事が激減します。

 

通所初段では嫌な事があったり、嫌いな音を聞いたりすると、大声で奇声をあげるお友達がおられましたが、僅か10回程度の療育指導で平仮名を克服し、100を超える単語を習得した結果果たしてどうなるとお考えでしょうか?既に療育中奇声を発する事すらありません、意味のない発語も見られなくなりました。

 

言語習得による意思の疎通はその子の態度行動そして顔つきまでも変化させる事が可能なのです。一緒に過ごしても互いに苦痛を感じる事がなくなるのです。これは厳然たる事実です。

 

理解がすすめば、設定学習を施す事で行動規範を明確にし、そのような行動が出る事もご家庭であっても一切なくなってしまう事例が沢山あります。(パニックを起こさなければ普通に就学も可能です。勿論この段階では衝動行動等なくなり、きちんと立腰し、椅子に座って課題に取り組む事が出来るようになっています。)決して珍しい事ではないのです。

日記の取り組みがもたらした効用

文字を書き、単語を知り、読めるようになると、本も読む事が出来るようになります。独自に開発した日記により格段に文書能力を向上させる事も既に実証されており、多くの保護者の皆様に驚きと賞讃を持って日々取り組んで頂いております。

 

意志疎通が出来ず、退園する事になったお友達も10月下旬からの僅かな期間の療育指導で、平仮名を習得し、3時間以上集中して課題に取り組み、11月末には初めて日記指導にも取り組む事ができました。

 

上記療育対象者は年少さんです。さて国内の同様の年代の子ども達のどれ程が日記等の取り組みが可能でしょうか?この段階で文字すらかけない子が沢山いるのが現実です。わずかな期間で、正しい書き順で既に表記する力を獲得しているのです。

 

そして何より最初の日記の取り組みで、自分の一日を振り返り、行動を反芻し、どのような事があったのか、思いだしそれを説明し、文章にする事ができたのです。そして私達の療育記録としてそれらの様子を全て録画しているのですが、自ら書いた日記の音読にも挑戦し、20テイクでほぼ95%以上を正確に読む事が出来たのです。

 

今も日記は課題として毎日の取り組みの中に組み入れており、同一学齢のお友達も負けじと果敢に日記の活動に取り組んでおりますが、国内のどれ程のお友達が繰り返し音読に挑戦する事が出来るでしょう。正しく表記する事が出来るのでしょう。

 

対象のお友達は、さらに自信を持ってさらなる高次への取り組みを望むようになりました。これこそが療育に携わる者の醍醐味であるともいえます。小学校就学までにまだ2年3ヶ月以上の時間の余裕がありますが、どれ程までに進歩成長するか楽しみでなりません。

猛獣使いになってはいけない

あるご家庭での事例ですが、お父様はお子様の事に無関心を通しておられましたので、全てはお母様の双肩にかかっておりました。しかしお子様が言語を獲得し、自分の考えを話コミュニケーションとれるようになった時、初めてお父様から、「お皿洗い等の家事は僕が引き受けるから、少しでも子供の療育の時間を取って欲しい。」とお母様にお話しされそれ以後家庭での療育指導にご両親で取り組まれるようになられました。これは1つの事例ですが、さてそのお子様は今後どうなるでしょうか?

 

このような取り組みを継続されると、更に大きな成長を遂げる事が出来るのです。期待に応えてくれるのです。言語の力は計り知れない物なのです。上記のどの事例の子ども達も今後みなより大きな進歩と成長を遂げるに違いないと確信致しております。

 

言語の習得なくして何も解決は致しません。言葉の力を獲得すればその子の生活は大きく変化致します。子ども達が抱えている多くの問題は、言葉の習得で改善される事が実に多いのです。

 

意志の疎通が出来ないまま、何故悪いのかも伝えられないまま、叱られ、怒られる事で行動抑制された場合、多くの場合成長に従って問題が拡大してしまいます。意志疎通のない、怖い、厳しい、怒られる、叩かれるというような指導は、サーカスの猛獣使いと同じような関係となってしまうのです。

 

アメと鞭(ムチ)は初段のきっかけとしては良いかもしれませんが、毎日を共にする保護者とお子様が、調教師とライオンの関係になるのだけは避けなければなりません。ライオンが芸をすれば、肉を与え、指示した行動をとらせるために鞭打つのは確かに凄い事ですが、それはその力関係が永続的に続く場合のみ有効な関係であると私共は考えております。

 

猛獣使いでは困るのです。いつか隙をみてかみつきます。保護者のお子様の力関係の均衡が壊れた時その効力は崩壊し消滅するのです。子供が成長し、力が強くなってある日保護者と突き飛ばしたりしたら歯止めが効かなくなります。高学年で家庭内暴力に陥る1つの要因でもあります。

 

怖いお母さんがいる時は、静かに大人しくしている子が、怖いお母さんが居なくなった瞬間に豹変するのともよく似ています。これは力によっての制御ですので、力がなくなると効果がなくなるのです。私達が目指すべきは理解させる事なのです。

 

良い事、悪い事を理解させるためには言語認識が不可欠です。ルールを明確にしてあげるのも1つのポイントで、症状によって指導ケースは異なりますが、言語的な認識が欠乏すると多くの場合その関係が途中で破たんしてしまいます。

正しい価値観の育成と言語能力

言語認識を促す為には、言葉の意味を知らねばなりません。言葉の意味を知るためには音の構成を理解する必要性があります。音の構成を理解するためには清音等の平仮名の習得は不可欠です。 そして平仮名を習得するため、対象児童の素養に併せて、理解しやすい手法を勘案し提示し実践する事で、音の構成を理解し、単語を知り、こどばの意味を介しそしてお話しが出来るようになるのです。

 

意味理解ができるようになれば、価値観の育成が可能になります。どの子も良い子でありたいと願っていますので、叱られて、怒られてするのではなく、このように行動する事が正しいと思うように導かねばならないのです。本人がしたいと思う事が大切なのです。本人がしたいと思うのは思考がその根底になければ実現しないのです。

 

私達には、神様が与えて下さった考える力があります。考える為には言語の獲得が不可欠なのです。考える力が養われていないと、衝動的、生態的反応が目立ってしまうのです。

 

言語を理解すれば、ルールも理解する事ができます。子ども達を取り巻く状況の変化も理解する事ができます。相手の気持ちを理解する事ができるようになり、ひどい事もしなくなるのです。価値観の育成は言語能力の獲得なくしてあり得ません。

 

正しい価値観や判断力は言語能力の習得なくしてあり得ないのです。現行の療育指導の中で、この点を置き去りにしたり、放置したり、諦めてしまった為に成長するにしたがって大きなストレスに苛まれるという事例は後を絶ちません。

言語は全能

言語能力の習得に際しては、お子様の状態を十分加味して出来るだけ障壁を取り除き達成感を味わいながらじっくり熟成させる必要性があります。成功体験を繰り返し学ぶ楽しさ意思疎通の楽しさを体験出来れば必ず道が開けます。

 

指導には上記の内容を加味した上で綿密な指導計画と、適切な教材選定そしてなにより、お子様の状況にあわせた接し方が大切となります。どうぞ諦めないで私達にご相談下さい。必ず解決の糸口を掴む事為のアドバイスが出来ると考えます。

 

言葉は全能です。徹底した言語指導を行なう事が多くの問題を解決に導くのです。お子様の将来を新たに描き直す事ができるのです。諦めず取り組めば必ず道が拓けます。進歩と成長はその先にあるのです。

 

悩むのはやめて、行動に移して下さい。

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