COMPASS中讃センター ご家庭とともに

火曜日のCOMPASSです。
センターに通う年長のお友達は、もうすぐ小学生になります。
保護者様はお友達が話せないので、少しでも話せるようになってほしいと願っておられました。
また手先の訓練を望まれ、次いで鉛筆の用途を理解し、書くことを覚えてほしいとも語られていたそうです。
お別支援計画には「活動を通じて、学習や遊びへの興味・関心を広げる、できることを増やすこと。」「発声練習に取り組み、話せる言葉を増やすこと。」「学習に意欲を持ち、落ち着いて取り組み、指示を受け入れて行動できるようになること。」という3つの柱が設定されました。

初回の利用時、保護者様とCOMPASSの玄関先で別れてひとりぼっちで心細かったお友達。
保護者様の姿を求めて大泣き状態で、どんな誘い掛けにも気持ちが切り替えられずしばらく泣き止みませんでした。
心を開く様子を見せず、癇癪もひどく、落ち着いて過ごすことが当時の目標になったそうです。

COMPASSの送迎が始まると大声で抵抗し、車から降りるのもそれは大変だったそうです。
先生や周りのお友達と馴染む気配は一向になく、危険だからと繋ごうとする手も振り払ってしまいます。
お友達は、COMPASSの何もかもが嫌でした。
COMPASSに着いても、すぐにお友達が唯一居場所と決めた部屋の隅っこでほとんどを過ごし、意思疎通には程遠い状態でした。
隅っこにいるお友達に優しく声をかけ療育に誘うのですが、嫌がり、逃げたり泣いたり、癇癪を起こします。

当時お友達の唯一の心の支えはお気に入りのブランケット。
何とか個室に入ってもブランケットが手放せず、どこかイライラ、そわそわして落ち着きがありませんでした。
それでも優しく見守るCOMPASSの日々は流れていき、ひと月ほど経った頃、少し変化が現れました。
隅っこから個室への移動への抵抗が少しだけ緩くなってきたようで、お友達と向き合い、コミュニケーションを試みます。
やがてお友達は、方時も離さなかったブランケットを鞄にしまったままでも過ごすことができるようになっていきました。

次第に着座して課題に取り組む姿を見せるようになってきたお友達のタイミングを計りながら、口や舌の体操、ひらがな50音表や絵カードを用いて発語を促していきました。
言葉は伴いませんでしたが、活動の開始と終了の挨拶の仕草も繰り返し試みました。

お友達は全身で拒否すると、大人が諦めて許されると思っていたのかもしれません。
個室で取り組む療育も好みの課題だけは明るい表情で取り組みますが、嫌なものは全身で抵抗します。
カード類は手で押しのけるほど嫌がり、言葉にならない声で「嫌だ」と訴え、先生を叩いてでも要求を通そうとして、怒ったり、パニックになったり、癇癪を起こしたり…。

先生は全身の抵抗を受けながらも「大丈夫、できるよ、できるよ。頑張って。」と励ましながら優しく寄り添い、しかし一歩も引き下がらない態度で課題を続けるように促し続けました。
お友達は優しい先生に少しずつ心を開いていったようですが、だからこそ聞き入れてもらえるはずだとの思い込みが長い間抵抗として残っていました。

利用開始から1年半が経ち、季節は冬になった頃、お友達に少しずつ成長のカケラが見られるようになってきました。
粘り強い関わりが硬く閉じたお友達の扉を押し開け、たくさんの課題を1つ1つこなしていく過程で得られた「できた!」という経験、頑張ればできるという確信、それがお友達の自信に繋がり、苦手な課題でも最後まで頑張る様子を見せるようになってきました。

全く一言も聞くことがなかった言葉ですが、数々のトレーニングを経て、少し不明瞭さは残すものの「こんにちは。」「ありがとうございました。」など挨拶が返せるようになってきました。
あれほど嫌いだったカード類ですが、今では不明瞭ながらも母音だけでも復唱しようとする姿を見せています。
よく目が合うようになり、言葉や指示への理解が増え行動に起こすことができるようになりました。

COMPASSに着いても落ち着いて指定された机で課題に取り組み、周りのお友達との触れ合いや関わる姿が見られるようになっていきました。
お友達も例に漏れず離席が多かったのですが、現在は着席している時間が飛躍的に伸びてきました。
感覚で選択していた好みではなく、手にとって、確かめて、試してみる様子を見せるようになり、色々なものに興味を示すようになりました。

手先・指先強化には手作りの教具を取り入れ、何度も繰り返すうちにボタンのつけ外しが上手にできるようになりました。
お箸の訓練もまた、嫌がっていた物のひとつですが、励ましながら繰り返し取り組みました。
ご家庭でもお友達の好きなおやつや食事の際に、1つだけでもお箸でつまむようにしてみましょうとご提案し、協力していただきました。
やがてご家庭でも、落ち着いて座ってお箸に挑戦できるようになっていったそうです。
そして今では、まだ補助箸ではありますが使えるようになりました。

言葉で伝えようとしたり、挨拶を口にしたり「開けて。」とお願いして見せるなど、保護者様は成長をとても喜ばれています。
来所時にご機嫌が悪くても、短時間で落ち着き、切り替えられるようになりました。
当初は人に触れられることを嫌がっていたお友達ですが、そんな姿も影を潜めています。

少し寂しくなりますが、3月いっぱいでセンターを卒業するお友達。
それまでにできるだけ早く小学校に馴染めるように、基本学習だけでなく、学校生活に向けての準備を進めています。
また、センターでは小学生になって移行する事業所向けに、これまでのお友達と頑張ってきたたくさんの思い出や活動をまとめています。
新しい場所にスムーズに移行できるよう引き継ぎをしっかり行い、お友達が不安にならないよう、落ち着いて取り組めるように努めていきます。

中讃地区 COMPASS児童発達支援センター
所在地:〒763-0082
    香川県丸亀市土器町東4丁目780
連絡先:0877-24-5328

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