COMPASS川崎 このバトンを次へと渡せるように

火曜日のCOMPASSです。
COMPASS川崎のお友達の成長をご紹介します。
2017年の秋、保護者様と連れ立ってCOMPASSに通い始めたとき、お友達は3歳でした。
お友達は使える言葉が少なく、不明瞭さがありました。
保護者様の表現によれば「話す言葉がまるで宇宙語のようでわかってあげられない。」とお悩みだったそうです。

語彙数も少なく、気持ちを表す言葉もなく、怒ったり困らせたりして気持ちを伝えるしかないようでした。
日常動作も不完全、また野菜は食べられないといった偏食などの困りごとも抱えていたお友達です。
そこで、最初の個別支援計画に記載された取り組みは、まずは「発声」「発語」です。
そして「言葉を増やし会話力の向上を目指すこと」が大きな目標として掲げられました。

着座姿勢を保つことが最初のハードルでした。
座れるのは短時間で、だんだん姿勢が崩れていきます。
向き合って対話を試みると、やはり発声はかなり不明瞭でした。

語彙がかなり少なく、絵カードのライオンには名前の「ライオン」とは言えず「こわい」とイメージを口にしていました。
「りんご」=「赤い食べ物」という認識で、赤いものは何をみても「りんご」でした。
赤・青・黄色は認知できますが、その他の色は難しそうでした。

こうして始まったCOMPASSの日々。
お友達からは強い抵抗はなく、比較的指示を出すと素直に従ってくれたそうです。
「着座すると楽しい時間が待っている!」そう感じられるように興味を引き出す課題をたくさん提供していきます。
単語の意味と理解に活躍したのは「絵カード」「単語カード」そして「絵本の読み聞かせ」です。
絵本のページを開くたびに、まだ知らない世界に連れ出してくれる感覚は、お友達にとってとても刺激的なものだったようです。

読み手の先生が演じる世界をお友達も真似しながら一緒に体験していきます。
先生の口の動きをしっかり見ながら真似をして発声に挑戦すると、真似て言えたり、上手だったりすると「すごいね!できたね!!」と、とても喜んで褒めてくれます。
褒められることが心地良く、お友達はだんだんノリノリで課題に取り組むようになっていきました。

お友達の課題は、例えばスプーンで丸いモールをすくって別のカップに移す課題や、ボタンやスナップを留めていくと繋がって形ができるフェルト繋ぎ。
時折タイマーがジリリと鳴ると、一緒にトイレに行って練習です。
手伝ってもらいながらズボンを下げて、便座に座って・・・成功するとVサインで、またニコニコでたくさん褒めてくれます。

中でもお友達が気に入ったのがクレヨンで描くことでした。
カラフルなクレヨンで白い紙いっぱいに線を書いたり、点を打ったり、これは療育上は文字を書く初歩の練習だったのですが、お友達にとっては気分を上げてくれる楽しい課題でした。
いつもそばで見守ってくれて、面白いことをたくさんやらせてくれる先生をお友達は大好きになりました。

COMPASSには周りにもたくさんのお友達がいます。
最初は気にならなかったものの次第に興味を持つようになり、就園してからさらに周りと関わりが増え、他のお友達が言葉でコミュニケーションを取る様子を見たり、話すことを聞いたりするうちに、次第にお友達自身から「お話ししたい!」と言う気持ちが生まれるきっかけになったようです。
やがて、発語練習でも自分の間違いに気づくと「やっておしまい」ではなく、指示がなくても自分からもう一回やり直すと言う積極性を見せるようになり、言い方を聞きながら「何をしたいか」「どうしたいのか」と言う思いを口にするようになっていきました。

利用が始まってから1年半が経つ頃、語彙も増え、徐々に発声も明瞭になり、自身の気持ちを言葉で伝える場面が増えていきました。
春に就学してからは「5W1Hを意識した話し方」や「ひらがな、濁音、拗音、促音の読み書き」など多岐に亘るようになって、素晴らしい成長ぶりを見せています。

もちろん、お友達にも苦手な課題はあります。
「わからないこと=嫌いなこと」の中には数(数量)や、ひらがな書字などがありましたが、苦手な課題は、できなかったことが1つでもできて、わからなかったことがパッとわかる瞬間の喜びを体験したお友達にとっては、むしろ継続して取り組むための気持ちの糧になっていきました。

保護者様が望んでおられたお友達の言葉の改善が見られていることを保護者様も心から喜んでくださっていました。
これで目標は達成され、お友達はCOMPASSを卒業することになりました。
これからはCOMPASSで学んだこと、経験したこと、諦めない姿勢、そして成長してきたことを礎にして、お友達は新たな課題を克服するために次のステージへと進んでいきます。
お友達がくれた沢山の笑顔や声を思い出に、このバトンを次へと渡せるように、COMPASSでは確かな成長に繋がる支援を継続していきます。

COMPASS発達支援センター川崎
所在地:〒210-0848
    川崎市川崎区京町2丁目24-2
連絡先:044-201-1148

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