COMPASS丸亀 経験が実るとき(1)

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS丸亀に通う現在2年生の男の子。
2年前の利用開始前にはトイレや食事、片付けなど、生活の基本の自立が未完成でした。
語彙も少なく、会話も苦手でした。
当時は1年生でしたが、着座姿勢を維持し、活動に取り組むのも苦手。
場面や行動の切り替えも苦手で、時折大きな音がすると耳を塞いでしまいます。

保護者様はお友達が興味を持てることを増やしながら、いろいろなことに挑戦してほしいと願い、日常生活面でもお友達ができることを増やしてほしいと希望しておられました。

秋の終わりに丸亀にやってきたお友達。
支援計画は新しい環境に慣れて、落ち着いて過ごすことができるように、そしていろいろなことを体験し、興味や関心を広げられるようにはかり、身の回りのことが少しずつでもできるようになることを目指します。
そして近い将来には、机上での学習活動での言葉の学びと並行して、先生や他児と関わる過程でコミュニケーションのいろいろな表現方法を体得し、豊かな表現ができるようにと目標を立てました。

何度かご紹介していますが、COMPASSでは到着すると、まず挨拶、そして自分で靴をしまい、靴箱へ片付け、カバンも必要な筆記具だけを出して自分でロッカーにしまいます。
それから、トイレを済ませ、手を洗い、指示された場所に着座して先生を待ちます。
ここまでが活動が始まるまでの一連のルーティンで、この毎回行われる動きの中にお友達の学ぶべき課題が沢山詰まっています。

お友達が習得すべき排泄の自立は、COMPASSに来るたびに毎回表紙を捲るように当たり前に経験を積んでいきました。
声かけに従って行けたら褒め、自分からトイレへ行けたら褒めてというように、何かしらできた時に褒めていきました。
ルーティンの最後はいつも着座です。
そこからは活動開始となりますので、先生は声を掛け、指示した場所に着座するように促します。

お友達と楽しく会話ができるようにと、COMPASSは、絵カード、絵本、あいうえお表唱和、そしてなぞり書きや塗り絵などを準備。
活動の中に「準備する」「片付ける」という要素が入っている製作も取り入れました。
言葉の指導では「母音の発音」と「口の開き方」のイラストを見せ、発音の基本練習から始め、口の開け方を習得した頃から「あいうえお表」へとステップアップしていきました。

お友達は絵を描くことが大好きでした。
好きなことには努力を惜しまず、集中するのはいいことですが、例えば「色鉛筆が欲しい!」と思うと、急に部屋から飛び出して探しに行ってしまいます。
「使いたい!」と思うと、次の瞬間には他のお友達が使っている道具を勝手に取ってしまいます。
そんなふうに相手の気持ちをお構いなしで「貸して欲しい」という意思表示ができませんでした。

その一方で先生に「絵を描く紙が欲しい。」とは言い出せないお友達。
そのことを知らなかった先生が、プリントを後で見てみると、裏に絵が描かれていたのだそうです。
後日、先生はお友達に「ちゃんとくださいって言ってね。」と伝え、気持ちを伝える第1歩の練習へと繋げました。

ちゃんと見てもらえていることがしっかり理解できたお友達。
ところが、わざと部屋から飛び出し、先生が追いかけてくるのを楽しむという間違った解釈で、お試し行動を取るといった様子も見られたりもしましたが、概ね日常生活で経験していったルールは少しずつお友達のCOMPASSで過ごすときの概念になっていったようでした。
やがて半年が経つころ、少しずつ成長を現していくお友達です。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター丸亀
所在地:〒763-0082
    香川県丸亀市土器町東2丁目75-1
連絡先:0877-85-3428

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