COMPASS高松 言葉も気持ちも、前へと…(1)

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS高松に通うのは、今年小学校3年生になったばかりの女の子。
昨年の春、1年生から2年生に進級する直前に通い始めました。
お友達は、小学校に入ってから、学校の先生がクラスの皆に一斉に伝える内容や指示にうまく対応できていないと言います。
日常的に交わされる会話の内容も忘れたり、忘れ物をしたりすることがあるのだそうです。
語彙力も弱く、相手の話を理解する、それに応える、あるいは自発的な発信もあまりないのだとか。

ご相談に来られた保護者様は、学校での様子、ご家庭での様子を話され「皆の学習スピードについて行ってほしい。」と望まれ、また「日常会話がスムーズに出来るように、自分の気持ちを言葉で表現出来るようになってほしい。」とコミュニケーション能力の向上を願っておられました。
保護者様からお聞きしたお困りごとを解消できるよう、COMPASSでは「勉強の仕方や言葉も覚えていきながら、少しずつ自分で取り組めることを増やしていく。」ということを支援計画の目標としました。

行動、言語理解、自発的な発信、処理能力、記憶などは、個人差がとても大きく、一概に支援の方向性は定まりません。
そこで、お友達がCOMPASSで色々な角度からさまざまなことを経験していく過程で、先生たちも解決策を探りながら、お友達は手触りや感覚も動員して総合的な成長を促していけるようにと考えました。

語彙力の向上を促すための教材は、絵カード、場面カード、音読、言葉のプリント、そして日記が採択されました。
また、気持ちよく学習活動に向かえるように、学校で学んでいることや基礎的な学習の復習も取り入れました。
手指の巧緻性向上を目指し、ペグ差し、ひも通し、ぎこちないお箸の練習をしていきます。
工作も小集団での活動の一環として組み込み、最後まで作り上げられるよう導いていきます。

実際にお友達と会話してみると、語彙力の低さで、こちらが伝えた言葉の意味がわからず、状況をイメージできていないこともありました。
指示を出しても、すぐに忘れてしまうのか、それとも虫食い状態のように中途半端に内容が掴めていないのか、できないこと、取りかかれないことも頻繁にあったそうです。
伝えたことが抜け落ちていたり、今日覚えたね!と喜んだところが次の来所時にはもう忘れてしまっている・・・
そんなこともよくありました。

これはワーキングメモリーの脆弱さに起因すると考えられました。
ワーキングメモリーとは、単なる記憶力ではありません。
入ってきた情報を頭の中で保持して、どの情報を覚えておけばいいのか、どの情報は削除していいのかを”整理する能力”です。
この働きがしっかりしていると、何かを聞いた瞬間、見た瞬間に適切な判断と行動ができるようになります。
このワーキングメモリーを向上させるためのアプローチは確立されていないので、先生たちはお友達に最適な方法を手探りしながら探していきました。

まず理解を促すための練習として、わかりやすい説明を心がけ、繰り返し同じ言葉で指示を促すこと、言葉だけでなく、文字や絵で示すことも試みました。
集中しやすいように、忘れないように、一緒に確認したり、活動の順番がわかりやすいように話して聞かせたりしました。
例えば、この何度も同じ言葉で指示を出すという試みで、お友達がハッと腑に落ちて行動につながるケースも見られるようになりました。

繰り返し、繰り返し学ぶこと、一旦戻って確認し、また繰り返し、繰り返し伝えるという日々は続きました。
語彙数が少なめというだけでなく、話すということ自体がお友達にはハードルが高いものだったようです。
このため会話が弾まず、黙ってしまいがちなお友達。
そこで絵カードや音読を通して発言することを促し続け、コミュニケーションの活性化へつながるように心がけました。
(後編へ続きます)

COMPASS発達支援センター高松
所在地:〒761-8071
    香川県高松市伏石町2155番地18 フィット伏石 Ⅰ 号棟
連絡先:087-864-5823

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