COMPASS神崎リーフ コミュニケーションからつながること(2)

木曜日のCOMPASSです。
神崎リーフのお友達とはコニュニケーションがなかなか取れず、手探りの活動が続いていました。
そして通い始めて3ヶ月が過ぎた頃、その瞬間が訪れました。
時は5月、工作のテーマはもちろん「こいのぼり」です。

画用紙のこいのぼりに先生がカラフルに彩色した見本をお友達に見せながら、お友達にも模様を描いてもらおうとクレヨンを渡します。
リーフに通い始めた2月から何度クレヨンを持たせても、お友達は意味もなく1本のクレヨンで同じ場所を2,3回前後させるだけでしたが、今回は違いました。

鯉のぼりの画用紙に、お友達はまず1本のクレヨンで何かを描き、そのクレヨンを箱に戻すと、別のクレヨンを手に取り、その色で描いては眺め、また、自分でクレヨンを選んで描くということを繰り返し、綺麗な鯉のぼりが出来上がりました。
”クレヨンを箱に戻して再度選び直す”などという、複雑な工程をやって見せたお友達。
そんな行動は初めてでした。

活動前にカラフルな見本を見せたことで瞬時に理解ができたと考えられ、視覚的なアプローチでたくさんの情報が伝わったことに先生も大感激!
もしかしたら色を識別できているのでは?と考え、見本を3点ほど見せると、思った通りその色を選んで塗ることができたのです。
このことから自分達が気づかなかっただけで、お友達はもっと伝えたいことを理解できているかもしれないと考えました。
その後も活動でたくさん声をかけながら伝えたいものを見せ、取り組むというアプローチを行ってみます。

プリントの「ぐるぐる(=渦巻き)を描く」という課題でも、指示が視覚的に理解できるように見本を見せながら「ぐるぐるだよ。」と話しかけると、お友達は丸を描き、その中に目と口かな?と思われるものを描いていました。
「ぐるぐる」は伝わらなかったようですが、「顔」を描けるなんて成長だなぁ…と思っていたそのとき、別のプリントに大きく「ぐるぐる」を描き、ちらっと先生の顔を見たお友達の姿に、伝わっていると確信した先生たちでした。

保護者様もCOMPASSから日毎、月毎に届く目を見張るお友達の成長報告をとても喜ばれていました。
そして次の目標はトイレをできるようになってほしいとおっしゃっていました。
当初から取り組んでいたトイレ・トレーニングですが、お友達の拒否はかなり強く、トイレを見るなり嫌がって蓋を閉めてしまう状態でした。

そこでトイレに貼ってあるトイレ手順の絵を見せ、視覚的なアプローチを試み、優しい声かけを繰り返し、最初は先生がお友達を抱っこして座れるように促し、その次に嫌がる補助便座を外して手前に座れるように導くと、なんとかお友達自身でちょこんと座れたのだそうです。
それからは少しずつ座る時間を伸ばしていきながら、便座の奥まで一人で座れるようになり、まだ排尿には至っていませんが、先生の介助がなくても座れるようになってきています。

職員は、すかさず褒めて褒めて頭を撫でました。
そのうちに職員が体を持たずとも自分から座るようになったのです。
まだ排尿は見られませんがこのまま継続し、排泄の自立を目指していきます。
トイレでの排泄も取り組みながら発語への取り組みも続けていますが、発語のためには口から十分に息を吐けることが大切です。
力強く吹くことを目指し、シャボン玉を吹き出したり、風車を回したりといった口腔訓練を行うほか、あいうべ体操、舌体操を継続したいる成果として、最近では舌や口を動かすことが力強く、上手になってきました。

発語のためにはまずたくさんの言葉を聞くことが重要で、日常生活の場や遊びの中で、たくさんの会話を聞き、話かけることが大切なことです。
お友達にも成長のミラクルがあり、実はたった一度だけ言葉を発した瞬間があります。
手指活動でトングで色玉を紙コップに移動させているとき、「マンマ」と言いながらコップを動かしていたのだとか。
保護者様によると、食事のときいつも「まんまよ」と声をかけているので、この言葉を覚えてふと口にしたのではないかと考えられます。

お友達の成長はまだまだあります。
おやつ前の手洗いはもちろんのこと、おやつ後のゴミを自分でゴミ箱まで捨てに行き、飲んだ水筒は自分でカバンに仕舞いに行きます。
先生から受け取った連絡帳も忘れずにカバンに仕舞うことが出来るようになりました。
以前はカバンに仕舞う際に、中の荷物がいっぱいでうまく入らず苦戦していたとき、先生の手を握ってカバン誘導し、やって欲しいと甘えていましたが、今では頼らずに一生懸命荷物を選り分け隙間を探し、時間がかかりながらも入れられるように。

どんな課題でも、綺麗に描けたとき、上手に風車を吹けたとき、トイレで座れたとき、そしてカバンに片づけられたとき、先生はいつも見守っていて、「頑張ったね。できたね。」とたくさん褒める先生です。
お友達も先生に褒めてもらえることが嬉しくて、カバンに荷物を片づけられたときには、後ろに控えていた先生の胸に飛び込み、ぎゅっと抱きついてきて「できたよ!!」という達成感が全身から伝わってきたのだそうです。

今、成長の一途を辿るお友達ですが、当初と比べるとあれだけ苦心していたコミュニケーションが円滑になったことが何よりの変化だと言えます。
先生の目を見て、笑顔が増え、自分からスキンシップを求めてくることが多くな利、信頼の糸で繋がっている実感を感じられます。

これからもお友達の気持ちに寄り添い、求めていることを理解しようとすること、それを受けてお友達との間に信頼が芽生え、安心して関わろうとする様子に成長を感じています。
心を通わせるコミュニケーションに努めることは、やはり確かな道標につながるとお友達との関わりを通して得られた確信です。
言葉や生活動作の完成などまだまだ課題はありますが、これからも成長を信じ、丁寧に関わり、未来に向かって支援を継続していきます。

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