COMPASS.Jr 座ること、座れること

金曜日のCOMPASSです。
COMPASS.Jrにもこの春新一年生になったばかりのお友達が通うことになりました。
保護者様はお友達の「身辺自立」と「居心地の良い場所」の支援と提供をCOMPASSにご希望でした。
じっと座っていられないので、大丈夫だろうかとかなりご心配なご様子です。

COMPASSの支援計画には、ご意向に沿って3つの療育区分を個別支援計画の方針の骨組みに設定しました。
生活 … 生活パターンを自分から進んで行えること。立腰姿勢の維持。排泄の自立。
知覚・認識・言語・数量 … ひらがなの書き取り。数量や図形の把握。
社会性 … 新しい環境に慣れ、安心して過ごす。友達との関わりの中で規範や社会性を学ぶ
学習課題は小学生らしく「ひらがなおけいこ」「かずのおけいこ」「月例プリント」「ひらがなマッチング」「ひらがなカード」、そして絵本を取り入れました。

さて、お友達との毎日が始まりますが・・・
利用当初の課題は「座ること」でした。
お友達は学習・静かタイム・食事の時間・トイレでの排泄の場面で、座るように促されることに激しく抵抗を見せます。
先生が「座ってみよう!」と促したり、注意をしても、笑ってごまかしたり、しまいには激しく泣いておなかを掻きむしって抵抗したりと断固拒の構えです。

なんとか座ってくれたと安心も束の間、いきなり離席。
マットの上で寝転んだり、好きな絵本を勝手に取ってきて眺め出したりと、自分の好きなように振る舞う始末です。
学習では着座姿勢の維持が最初の関門で、また文字の練習プリントが嫌で仕方なく、なぐり書き。
枠内に文字を収めることができず、平気ではみ出してしまう様子から、気持ちが入っていないことが手に取るようにわかります。

COMPASSの基本は着座姿勢での学習。
どうして座れないんだろう、どうやったら座ってくれるだろうと、先生は考えに考えます。
そこで足台を用意して、足が地につかないことで不安になる要素を取り除くよう働きかけてみました。
お友達に座るよう促すだけでなく、先生が何度も正しい座り方のお手本を披露して、お友達の関心を誘ってみます。
また、着座時間の見通しが持てるよう、タイマーを見やすい位置に設置し、少しでも伸びると褒めるというあらゆる工夫を凝らしました。
すると少しずつお友達は着座できるようになり、徐々に座る時間も伸ばしていきます。

お友達の世界を少しずつ開くように、こだわりで動けないことを大丈夫だと伝えるように促します。
「ひらがなのおけいこ」は、ひらがながの練習プリントでどんなに大切か繰り返し伝え、正しい鉛筆の持ち方や使い方を指導。
少しずつお友達の意識が変わり集中を見せるようになり、はみ出さないように枠を意識して字の練習をするように変化を見せ始めます。
自分の名前の字が書けると「できた!」ととても嬉しそうにお知らせに来てくれたそうです。
学習や静かタイムだけでなく、食事やトイレの際にも着座することを嫌がらなくなり「これから~をするよ」と伝えると自分から進んで椅子に向かうようになりました。

また、嫌なことがあっても離席することがなくなり、思いを言葉で伝えようとしてくれるようになりました。
先生との信頼関係がしっかり構築されて、先生のお話を素直に聞き入れ、感情で行動するのではなく、考えて行動する姿へと変化を見せ始めたのだそうです。
そして、指導員の話も素直に受け入れることができるようになってきました。
なぞり書きも少しずつ丁寧に、枠内に書けるようになってきています。

何度も繰り返し促し、手を添えてようやく行えていた、たくさんの生活の基本。
それが今では先生が声をかけただけで、さっと一人でできるようになりました。

わずか3ヶ月。
座れない、勝手に振る舞う、字を書かなかったお友達が、今では離席もせず、40分着座して2セットの学習をこなす成長を遂げました。
COMPASSだけのことではなく、小学校でもこの成果が現れてきているそうです。
書き順を色分けするなどの工夫が功を奏して、難しい文字も考えて一人で書けるようになってきています。

身辺自立も次のステージへ移り、着替えやお手伝いもできるように導いていき、学習は基本の「国語と算数」の力を伸ばしたいと願いながら静かタイムをしっかり頑張れているお友達を微笑ましく見つめます。
今後もご家庭と連携をとりながら、工夫を続け、諦めない療育は続きます。

COMPASS Jr
所在地:〒800-0251
    北九州市小倉南区葛原1丁目3−5
連絡先:093-472-3288

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