COMPASS宿毛 発語を目指して

水曜日のCOMPASSです。
COMPASS宿毛に2月から通い始めたお友達、COMPASSしまんと時代から数えて4年目の春を迎えました。
しまんとに通い始めた頃から保護者様の願いは「言葉を獲得し、コミュニケーションが取れるようになってほしい。」というものでした。
今年から中学校に上がったお友達に「ひらがなの読み書きができるようになってほしい。」とも願っておられます。

保護者様の願いを受けてCOMPASSで作成した当初の個別支援計画は「家族の呼び名や自分の名前の認識一致ができるようになること。」が設定されていました。
さらに今は学齢も上がってきたため「自分の思いを少しでも伝えられるようになること。」「数と言葉の認識一致ができるようになること。」が盛り込まれています。

しまんとに通い始めた頃はお友達からほとんど自発的な発声を聞くことはなかったそうです。
COMPASSに着いても机に向かうでもなく、自分の世界に入り込んでしまったり、かと思えば突発的に動き回るなど、なんだか落ち着かない様子でした。
着座して学習課題や工作を進めるのですが、着座姿勢も続きません。
特に字を書く際にも自分ひとりでは鉛筆を持てず、まだ補助が必要でした。

発語の練習のために採用した学習課題は「あいうえお唱和」や「ひらがなのカード」などで、文字の練習には「なぞりがき(直線・曲線)」が用いられました。
また手先の訓練のために「コイン落とし」なども取り入れます。

お友達は楽しくて明るい性格です。
ただ時折見せる頑固なこだわりが顔を出すと、納得するまで何も手につかず、課題の取り組みに切り替えるための時間がかなりかかります。
声は出るもののそれは言葉にはならず、50音の唱和もつっかえてしまい、難しかったそうですが、あいうえお唱和では口の形の模倣はとても上手でした。
模倣だけでなく声が出ることもありましたが、照れくさいのか、笑ったりすぐに飽きてしまうなど持続が難しかったそうです。
そこで「声を出したい!」という意欲に繋がるように、お友達の側にいつもご家族の写真を置いてみます。
写真と向き合う慣行が功を奏し、集中して取り組めるようになり、度々声を聞かせてくれるようになっていきました。

COMPASSを利用し始めてからひと月半ほど経った頃だったでしょうか?
ご自宅で突然お友達の口から「じいじ!」と祖父を呼ぶお友達の声に、ご家族はびっくりされたのだとか。
このことがきっかけとなったようで「パパ」「ママ」などは先生のお手本がなくても、家族写真を見るだけで自分から声を出せるようになってきたそうです。
宿毛に移ってからは落ち着いた様子を見せ、すっかり発語に対する意識が変わり積極的に取り組む姿勢を見せるようになってきました。

最近は素直に舌の動きを練習する「あいうべ体操」も嫌がらずに行い、よく声が出ているそうですが、言葉での会話、想いを表現するまでにはまだ道の途中のようです。
しかしながら、何か伝えたい時には言葉にならないまでも発声は聞かれ、色々な場面で頻繁にお友達の声を聞くことができるようになっています。
保護者様も殊の外お喜びになり、連絡帳に「今日はこんな声が出ました!!」などとご報告を書いてくださったり、「発語も少しずつですが、伝えよう、話そうとする姿を見て嬉しく思います。」と嬉しいお気持ちを話してくださっているのだそうです。

「想いを言葉にする。」というお友達の目標。
そこに至る道のりは遠く、今はまだほんの入り口にしか過ぎません。
お友達との会話は、言葉によるものでなくても、まずはお友達自信が伝えられる方法で伝えて行けたらと思います。
同時に社会へ旅立つことも視野に入れ、色々な活動に参加し、ルールやマナー等を身につけることができるように促し、楽しく過ごせるように願い、支援を続けていきます。

COMPASS発達支援センター宿毛
所在地:〒788-0000
    高知県宿毛市宿毛5380-1
連絡先:0880-63-1738

(事業所名をクリックして頂くと事業所案内ページへ。また電話番号のクリックで電話がつながります。)

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