COMPASS高知Jr 僕は小学生になるんだ!

金曜日のCOMPASSです。
年長さんのお友達はCOMPASS高知Jrに通い始めて1年が過ぎました。

昨年の11月、ご相談に来られた保護者様は来春就学するお友達に「言葉でのコミュニケーションがスムーズにとれるようになって欲しい。」また、日常生活の動作では特にトイレの自立を望んでおられました。
個別支援計画では、就学に向けて「ひとりできる」という体験を積み重ね、成長に繋がるように支援していくことが目標とされました。

利用開始直後のお友達、事業所の玄関に座り込んでなかなか室内に入ろうとしませんでした。
自分の想いを上手く伝えられず「あれがしたい」「これがしたい」とは言えるものの、それ以上は手が出たり、泣き出したりしてしまいます。
何かをしていても、目についたもの、興味のあるものに意識が向き、中断してしまいます。
逆に何かやっていると、指示があっても切り替えられませんでした。
そこで、お友達が気を散らさず集中して取り組むことができるように、個別指導は個室でおこなわれました。

トイレを嫌がる子どもはたくさんいます。
好きなときに好きな場所で排泄していた子どもからすれば「排泄はトイレで」という概念は育ちにくいことの1つと言えます。
だいぶ言葉がわかるようになる頃には、親は言い聞かせればすぐにおむつが外れるだろうと期待しますが、そうはいかないようです。
トイレに連れて行かれたときにひとりで座らされたことで不安を感じたり、嫌な匂いや部屋の感じなど何か嫌な経験と結びついてしまったり、親の期待を敏感に感じ取りプレッシャーを感じたり、失敗を口頭だけではなくほんの些細な態度で叱られたと感じたりすると、それらはトラウマになってしまい、そんな思いをする位ならオムツは楽だし、トイレは嫌いな行きたくない場所になってしまうのです。

狭くてなんとなく嫌な感じがするから、行きたくないトイレ。
お友達が嫌がらずに入れるように、トイレの壁はお友達の大好きなキャラクターの折り紙がたくさん貼られ、なんだか明るくて楽しそうな場所になり、お友達は次第にトイレに行くことへの抵抗は薄れていきました。
お友達がトイレに行けたときには、実際に排泄までに至らなくても必ず水を流す練習をおこない、一連の動作の定着を学ぶように工夫しました。

玄関先でぐずって入室できないとき、その時の状況を判断しながら無理に入室させるのではなくお友達の気がすむまで待ったり、プラスに働くような言葉をかけてみたりとお友達が自分で判断し、選択できるように努めてみます。
何度かCOMPASSで過ごす経験が積み上がっていくと、最初は本当に嫌だったのかもしれませんが、部屋に入らないとどうなるのかな?と先生を試すものにすり替わっていったのかもしれません。
やがて声かけがなくても、お友達は自分でドアを開けて入室し、元気な挨拶と共に入室できるようになっていきました。

お試し行動なのかは判然としませんが、慣れてくるにつれ、ふざけて先生の名前を呼び捨てしたり、わざとゴミをゴミ箱がないところに投げたりするお友達です。
勿論注意しますが、それを聞くと余計にふざけることもあったそうです。
そんな傾向が見られる時には、あえてスルーしてみます。
ふざけても取り合ってもらえないことがわかると、お友達なりに自省したのか、おふざけの行動は減っていったそうです。

お友達がCOMPASSに通い始めて半年が過ぎた翌年の春。
玄関でも長い時間ぐずることなく入室できるようになってきました。
入室後は手洗いや荷物の片付け、手洗いも、先生の声かけで自分でできるようになっています。
先生の付き添いがあれば、トイレへ行くことを怖らがず、一人でトイレを流す動作もできるようになってきました。

個室で継続していた言葉のトレーニング。
もともと単語レベルの発声は比較的明瞭に言えていましたがプリント教材、絵本、絵カードを通して繰り返されていきました。
想いが伝わらなくて涙を見せていた頃とは違い、なんとか伝えようと自分からコミュニケーションを取ろうとするようになりました。
来所時や帰りのご挨拶でも『〇〇先生、さようなら!』等と、自分から言えるようになってきました。
保護者様も学習の成果を感じておられ、「最近言葉が増えてきてびっくりすることがある。」と嬉しい驚きを話しておられました。

最近、お友達自身が「小学生になるんだ」という自覚が芽生え始めていることを感じます。
生活動作では、学校に行っても困らないように自主的に整理整頓ができるようになり、トイレにひとりで行って排泄まで済ませられるようになることを目指しています。
会話では集団活動や余暇の遊びを通して色々な人と話す機会を得て、たくさん言葉を知り、少しずつ使えるようになり、伝わる喜びを感じ、やがて困った時には助けを求められるようになるように導いています。
これからお友達が春に出会う新しいお友達とは、誰とでもお互いに特別な存在となれるよう、優しい言葉を掛け合えるようになって欲しいと願い、新しい道を歩き始めます。

COMPASS発達支援センター高知 .Jr
所在地:〒780-0925
    高知県高知市西町86-1
連絡先:088-855-9338

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