COMPASS松山GREEN これまでと、これからの半年に

火曜日のCOMPASSです。
松山GREENに通うお友達は3歳、保育園の年少々さんです。
以前もご紹介しているお友達ですが、ずいぶん成長が見られています。
当初は言葉が出ず、何か訴えたいときは他に手段がなく、泣いてばかりだったお友達。
もしくは気に入らないと癇癪が始まるという状態でした。
COMPASSの支援計画でもお友達が自分の気持ちを言葉で表し、相手に伝えられることから目指し、半年が過ぎました。

COMPASSに通い始めた頃のお友達は、とにかく何もかもが嫌だったのだと思います。
お友達にしてみれば、楽しくて来ているわけでもなく、気に入った遊びをしてくれるわけでもなく、何だか色々やらされる場所です。
気分が乗らないことを勧められたり、やってほしいことをちっともわかってくれなかったり、そんな気に入らない場所でした。

着座を促されたり、一回やって楽しくなかったものを出されたりすると、決まって泣き続けるお友達。
一旦泣き始めると、落ち着いて泣き止むまで、また気持ちが切り替わるまでにかなりの時間がかかります。
先生は優しく促していきますが、ブレない姿勢は決して崩さず決してお友達の言う通りになんでも聞いてくれることはありません。

お友達がやりたくないことが、実はお友達にとって一番大切な始めの1歩なのです。
しかし、お友達にとっていかに必要であるかなどと、言葉で理屈を伝えようとすることは難しいことです。
ただ、見通しが立つとお友達も最初の行動の摩擦が少なくなるのではと考え、先生たちは工夫を凝らします。
そこで「これやったら、向こうで遊ぼうね。」など、わかりやすい言葉で終わりをイメージしやすいように話しかけていきました。

実はお友達には、好きな課題もありました。
絵本は特に大好きな課題で、絵本に出てくる言葉に瞳をキラキラさせるお友達です。
読み聞かせをするだけでなく、絵本の言葉を指で追ったり、ほぼ一方的ではありましたが、気持ちを込めた言葉をかけていきます。

お友達は声を出すことはできましたが、不明瞭さもあったのだそうです。
COMPASSに慣れてきてからは、長母音の発声、あいうえお発声、口形模倣、絵カードで言葉を知り、習得することが毎回のルーティンになりました。

特にお友達が面白がったのが、大きな声で発声をして、不明瞭さを矯正するというプログラムでした。
口や唇を形作り、お腹から力を込めて、声帯という楽器を使って音を響かせ、声となって出すという一連の動作。
このときはまだ一つひとつが繋がらず、声を出すことはとても疲れる作業ですが、やがて日を追うごとに少しずつお友達の中で噛み合い、楽にできるようになっていくはずです。

この頑張りがお友達のCOMPASSを楽しくする架け橋になってくれたのは、ひと月が過ぎたころでした。
なんと言っても満面の笑顔で来所できるようになりました。
玄関先での靴や靴下の着脱、トイレでの衣服の着脱など、意欲的に頑張る姿を見せるようになりました。
そして大きな改善は、発話量、語彙、声量ともに見られ、泣かずに気持ちの切り替えもできるようになりました。

通い始めてから約半年。
表情が明るくなり、笑顔のお友達からは涙が消えました。
保護者様は「ある」「ない」など単語ではあるものの、質問に答えてくれるようになったと喜んでくださっています。
園でも他のお友達との関わりも増え、おもちゃの貸し借りやごっこ遊びなどでも楽しむ姿が見られているのだとか。
日々どんどん自分から発声する言葉が増えてきて「成長に驚いています。」と、保育園の先生からも嬉しい言葉をいただいたのだそうです。

これからは課題は少しその枠の外へ目を向け、言葉に気持ちを乗せたり、相手の気持ちを受け止めたりするコミュニケーションの向上へと移行していきます。
コミュニケーションの上達には誰かと語り合うことが必要ですが、お友達同士関われるようになっている今、本格的なコミュニケーションを学ぶべき準備が整ったと言えます。

秋から春まで過ごしたここまでの半年、そして、これからの半年。
季節が必ず訪れるように春の蕾から次の秋の初めには、お友達の実りが楽しみで仕方ありません。

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