COMPASS大野城 日を追うごとに(1)

金曜日のCOMPASSです、
COMPASS大野城に昨年の9月から通うお友達は3歳、この7月で10ヶ月を迎えています。
お友達は50音を読めますが、言葉として発語には至らず、数字の理解も3つまででした。
神経質な性格で、粘土やスライム、絵の具など手が汚れることを嫌います。
たいていの同年代のお友達が好む絵本の読み聞かせをじっと聞くことも苦手、お絵描きも苦手です。
保護者様の願いは言葉が出るように、二語文・三語文を話せるようになってほしい、苦手なこともできるようになってほしい、そしてお友達と仲良く過ごせるようになってほしいと願っておられました。

お友達は園などに通ってもおらず、COMPASSのような同年代のお友達がたくさんいる場所も初めてです。
誰でもくつろいだ状態で受け入れる態勢が整っていないと、それがどんな素晴らしい学びでも心を開いて受け入れるのは難しいものです。
保護者様の願いに寄り添って、語彙を増やし、会話を習得するためにも、最初の目標はまずCOMPASSという環境に慣れてリラックスして過ごすことを目指しました。

お友達はCOMPASSで終日過ごします。
送って来られた保護者様と離れがたいお友達は、姿が見えなくても気になって療育中に離席して玄関に向かったり、歩き回ったりしていたそうです。
着座してもたちまち離席し、戻ってもまた離席を繰り返すお友達。
そこでまずは玄関が見えない個室でリラックスできるように図り、気持ちを整えることにします。
先生は、お友達は何に興味があるのか、何を楽しいと感じるのか探りながら寄り添っていきました。

通うことに慣れてきた頃から始まったのは舌、口の体操・数字マグネット・手遊び歌・絵カード・平仮名カード・絵本の読み聞かせなどの発語に関連する課題。
それから洗濯ばさみのマッチングで手指の訓練、また、あえてお友達が苦手な塗り絵・粘土を取り入れます。
COMPASS独自の「静かタイム」にも挑戦しましたが、5分と姿勢の維持はできなかったといいます。

さて、お昼になってお弁当を広げますが、お友達はおかずを殆ど食べません。
そこで先生が介助に入り、出来るだけ残さず食べられるよう寄り添うことにしました。
最初の頃は特定の先生が入ったときだけ完食できていたため、しばらくはその先生を専属にして、まずは完食を目指します。

保護者様とも玄関で別れ、ひとりで座るよう指示ざれても心細くて離席してしまうお友達。
そこで着座姿勢での取り組みに慣れることを優先して考え、先生の隣に座らせ、寄り添いながら課題に取り組むように試みました。
緊張でいっぱいな様子を見せる日には最初に軽い運動遊びなどを取り入れ、緊張の緩和を試みました。
当初はリラックスできるよう、注意散漫にならないよう個室での療育を行いました。
そのうち個室以外でも自然に着座できるようにりましたが、今度は側を通る人や物が気になって目で追い始め離席するお友達です。
そこでお友達には部屋の隅の壁側を向いて着座し、更にパーテーションで目隠しをして集中できるように促しました。

COMPASSに慣れてきてからは、その日の担当の先生と一緒に他の先生やお友達に『おはよう』『貸して』等の挨拶の練習を行うようにしました。
まずはご挨拶からのコミュニケーションを図り、きっかけとして対人交流の拡大につながるよう期待しての試みです。
着座して課題が進められるときにはカード等でたくさん単語の模倣を試みました。

カードを読む先生の声の通りに模倣はできるお友達ですが、言葉を理解してのそれではなさそうです。
そこで、よりお友達の身近でお友達が馴染んでいる「動物カード」や「カラーカード」等、身近で短い単語を活用することにしました。
また、同時に実践の場でも場面ごとに『開けて』『おはよう』『おしっこ』『おしまい』等の声掛けを先生全員が心がけ、一つひとつの言葉の意味を理解できるように努めました。

こうして席を離れるお友達に、繰り返し、繰り返し、手を引いて連れ戻しながらお友達の意欲の芽生えを待ちます。
やがてCOMPASSでの過ごし方に馴染んできたお友達が離席しなくなり、当初5分から10分が限界だった着座姿勢の維持が30分ほどできるようになったのは、2ヶ月がすぎた12月に入った頃でした。
(後編へ続きます。)

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