COMPASS大村NEXT 音を遮り言葉を届けて(1)

水曜日のCOMPASSです。
昨年10月から大村NEXTに通い始めたお友達。
系列のコンパスでの利用から数えてお友達がCOMPASSに通うようになってもう何年経ったでしょうか。
「頑張って!」

幼かったお友達は、その一言がとても辛く、泣き出すこともあったのだそうです。
デリケートなお友達には、拍手で励まされても、褒められても重苦しい気持ちは同じでした。

本来、お友達は自分の決めたルールは大事にしていて「やる」と決めたことはできます。
ただ、その自分ルールに過度に厳しく、COMPASSで周りのお友達の立てる音や話し声がうるさく感じ、それが許せず、学習中であっても立ち上がって「うるさい!!」と言いに行く場面もあったのだとか。

楽しく会話しているようでも、自分が上の立場であることが一番の関心事。
自分が上に立っている、自分の方が賢いといった話題に会話の流れを持っていく様子も度々見られたと言います。
ご家庭では兄妹喧嘩のときに妹を泣かせてしまい、保護者様からお友達に「なぜ〇〇ちゃんは泣いているの?」と説明を求めても答えないこともありました。
自分のルールが思考の中心にあり、善悪の判断が偏っているお友達。
また周りの音が気になるという場合だけでなく、集中に欠けること、自尊心が強く友達と仲良くできないことが多かったと言います。

そんなお友達を気遣い「友達と仲良くできるようになってほしい。こだわりを手放し、善悪の判断ができるようになり、何より自分自身を理解してほしい。」と成長を願い、保護者様は語られていました。
NEXTの個別支援計画では、まずできることを増やしていき、自分の考えや気持ちを相手にわかるように伝えるなどコミュニケーションの向上を目指し、そして集団活動でルールの理解や集団への参加ができ、感情のコントロールが出来るようになることを目標に置きました。
やがて、一つひとつの成功体験、さまざまな経験を通して善悪の判断が正しく行えるように導いていきます。

心機一転、大村COMPASSで始まったCOMPASSの日々。
お友達同士の会話を垣間見ると、自分を特別な存在という感覚で関わり、相手の気持ちも考えず、相手を下に見た強気な発言が多く、相手のお友達の反感を買い、トラブルになることも少なくありません。
しかもそのトラブルの原因が自分の言動だと気づいておらず、なぜ咎められるのか、なぜ相手が怒るのか理解が難しく、謝ることができません。

その一方で先生たちとの会話では、自分が優位に立つような内容ではなくごく普通の会話が成立しています。
このマンガが面白いよ、あそこで本を借りて読んでるなどを教えてくれる屈託のない笑顔のお友達。
そのお話はとてもいい話題だねと、同年代のお友達に話してみれば?とアドバイスすることもありました。
少しずつCOMPASSで過ごす時間を楽しんでいるように見えた最中、環境の変化がお友達の笑顔をなくしていきました。

春になり、進級したお友達を待っていたのは学校環境の変化でした。
担任の先生が替わり、クラスの人数が倍近くに増えたことで教室が一段と騒がしくなり、大きな音が苦手なお友達にとって学校が辛いものになっていきました。
またCOMPASSでも放課後の来所時間がだんだん遅くなり、その日の課題をこなすのが精一杯で、なかなかお友達の気持ちを話をしっかり聞く時間が取れなくなっていました。
音に対する過敏な反応はより大きくなり、それまで以上にCOMPASSの騒がしさに我慢できないことが増えてきました。
もちろんお友達に配慮し、出来るだけ静かな環境で取り組めるよう試みましたが、やはり音はどうしても聞こえます。


保護者様と先生で何か耳からの情報を遮断できるものがあれば…と話し合っていたところ、進級から4ヶ月目のお誕生日に保護者様からヘッドフォンをプレゼントされます。
周りの音を最小限にする機能がついているこのアイテムをイヤーマフとして使うことにしたお友達。

実際には想像していたよりも音が入ってくるのだそうですが、これをつけることで少しずつ落ち着きを取り戻していったお友達。
先生ともちゃんと向き合い、自分の気持ちを伝えられるようになってきました。
会話の幅は広がり、学校のことや家のことも話題に出すようになり、少しずつ以前の明るさを取り戻しつつあります。

落ち着きを取り戻してきたお友達との課題は製作活動、作業療法、絵本読みなどを選択。
製作や作業療法では出来ることを取り組み、自己肯定感が持てるように導きます。
小さな頃から励まされたり、応援されたり褒められることが苦手だったお友達。
お友達同士の関わりや学習で、出来ていることをお友達が受け入れられる程度に褒めることも心がけました。
先生は、常にお友達の気持ちに寄り添った声かけや会話に努め、お友達が自主的に気持ちを言葉に出し、感情のコントロールができるように促していきました。
やがてNEXTの利用開始から数えて5ヶ月が過ぎた頃、お友達はこれまでと違う、意外な側面を見せるようになりました。
(後編へ続きます。)

COMPASS発達支援センター大村.NEXT
所在地:〒856-0017 
    長崎県大村市荒瀬町1083-7
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