COMPASS本部教室 その一言が聞きたくて(1)

月曜日のCOMPASSです。
COMPASS本部教室に昨年のはじめから通うことになったのは、当時年長さんだったお友達です。
ご家庭ではおしゃべりなお友達ですが、一歩外に出ると全く話さなくなるのだそうです。
誰かが何かを聞いても、話しかけられても、せいぜい首をふるだけで発声はありません。

COMPASSで見せる様子も喜怒哀楽が乏しく、無表情。
ご家庭でおしゃべりできているということは、決して話せないわけではないのですが、外では話す姿を想像できないほど誰かとコミュニケーションをとるのは至難の業でした。

保護者様は、お友達は言葉が出ないので、はっきり話せるようになって欲しいと望んでおられました。
就学も目前のこの時期ですので、「質問に答えられるようになって欲しい。」と望まれ、「お友達に流されるのではなく自分からも「これして遊ぼう!」などと、自分からの発信ができるようになって欲しい。」と願っておられました。

まだ年長さんのお友達、初めてのCOMPASSという環境で、心を開放し、リラックスした状態で活動できるようになることがまずは大切な1歩です。
そのうえで言葉でどうのというよりも、お友達同士や先生と関わり自体を楽しめるようになること、そして人前で話せない状態が改善されるように徐々に正しい発声の練習をして、最終的には自分からお友達に関わってみようとすることを目指していきます。

こうしてお友達のコミュニケーションを目指した活動が始まります。
人見知りや恥ずかしがり屋というだけなら、環境に慣れて緊張がなくなれば話せるようになっていきます。
ですが、お友達は自宅以外の特定の場面で話せない状態がずっと長く続き、リラックスできている場面でも話せない状態が続いているようです。
ご家庭ではごく普通に話すのに、家族以外や幼稚園では話せないというのは、心の中では不安でいっぱいなのかもしれません。

話す姿を人から聞かれたり、見られたりすることに強い不安を感じたり、大人や見慣れない相手からの視線が怖いと感じることもあるようです。
話すことで不安を感じるために、その場は話さずに済ませられたというネガティブな成功体験が重なると、話さないでいることで不安を避けるという行動が定着してしまうのかもしれません。

話しかけてもうなずくだけで精一杯のお友達。
これではお友達の思いが伝わらず、先生はどうしたいのか、何がしたいのか、嬉しいのか、嫌なのかも全くわかりません。
そこで、とっかかりを探るためにも先生は余暇の時間を一緒に過ごしてみます。
自由時間に好きなパズルやお絵かきをして、楽しい言葉をかけながらコミュニケーションに挑戦してみるというものです。

例えば、お友達が好きなパズルで遊んでみます。
一人でできるものは声掛けをしながら見守り、難しいものは一緒に考えながら完成させていくことで関わりを試みました。
時折、簡単な二択のような返事を必要とする問いかけで答えてくれるかどうかも試しました。

この試みでは、担当する先生を固定し、お友達が先生との関わりに慣れてから少しづつ他の先生とも関われるように促していきました。
数ヶ月するとお友達は担当の先生とは打ち解け始め、会話でのコミュニケーションが取れるようになっていったのだそうです。
(後編へ続きます)

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